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「”HAWK11”はダサい」という他人の目を気にしすぎるのがダサ過ぎる

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ホンダにしては珍しく、ちょっと振り切ったスタイルの”HAWK11”。

2022年春の大阪モーターサイクルショーで初公開されたHAWK11は、ホンダが「社内でも賛否両論があった」というほど、ある意味振り切ったデザインとなっています。

クラシックさが漂うロケットカウル、丸目ライトにスパルタンなマフラーと、古さと新しさが融合させたようなネオクラシックなスタイルは、今までのホンダ車のラインナップからするとやや異端。

ターゲットユーザは、様々なバイクを乗り継いできたベテランライダーで、彼等が「上がりの一台」に相応しいと思える車両を狙ったとのこと。

今回はこのHAWK11(ホーク・イレブン)を紹介します。

アフリカツインをベースとしたアーキテクチャモデル

このHAWK11、ベースがアフリカツインと聞いて少し驚きました。

アフリカツインといえば、アドベンチャーとして評判の高い、ホンダのベストセラーモデル。

そもそも、アフリカツインのルーツは、ホンダが1986年からパリ・ダカールラリーで4連勝したときのワークスマシン「NXR750」のレプリカ的存在です。

1100ccの大排気量はロングツーリングも難なくこなし、出先では林道から未舗装までこなす、ユーティリティ性の高いモデルです。

ホンダはそのエンジンを流用して、現在までに2車種をリリースしています。

その一つが、クルーザーモデルとして作られたRebel1100。

アフリカツインよりもマイルドな出力特性にしたエンジンで、気持ちよくクルーズできるような味付けがなされています。

かと言って、「まったりもっさり」したエンジンかと言えばそうではなく、SPORTSモードにすればワインティングロードでもキビキビ走れるマシンに仕上がっています。

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二つ目の車種が、アフリカンツインをベースにしたスポーツツアラー、NT1100。

アフリカツインのオフロード然とした佇まいよりも、オンロードメインで使いたいユーザをターゲットとした車種。

欧州ではこういったモデルの人気が高いですね。

そして今回、同アーキテクチャを流用した第三弾が、オンロードモデルとして登場したのがHAWK11です。

スクリーンがリベット打ちされたロケットカウルに丸目ライトが特徴的なスタイル。

シートからテールにかけたシャープなデザイン、やや跳ね上げてスパルタンなイメージを醸し出すマフラーなど、尖ったデザインが今までのホンダにはなかったテイストです。

どこかドゥカティ スポーツクラシック1000sを彷彿させるスタイルですね。

開発陣が言うように、この機種は市場調査や市場受けを狙った「マーケットイン」的な商品ではなく、こんなマシンがあったら面白いよね、という発想の元に開発された「プロダクトイン」的な商品です。

どのくらい支持を得られるかはこれからの市場の評価によりますが、個人的にはビッグバイクのツイン化は面白いセグメントだと思います。

そんなモデルに、1977年に発売したCT400T、通称”HAWK-Ⅱ”を彷彿させるHAWKの名をもってきたのは、明らかにホークⅡを知ってる世代へのアピールでしょうね。

CB400T HAWK-Ⅱとは

ホンダが1977年に発売したCT400T、通称”HAWK-Ⅱ」は、当時、免許制度の変更で大型二輪の取得難易度が上がったため、活況だった中型二輪(~400cc)市場に投入すべく開発された、空冷2気筒3バルブのハイパフォーマンス(当時)なバイクです。

オフロードの走破性も意識して作られた、と言われるように、ユーティリティ性が非常に高く、それでいて加速性能もよかったことから、当時、非常によく売れたバイクの一つでもあります。

HAWK-Ⅱをもじって「HAWK11」としたのは、エンジンが1100ccであることと、HAWK-Ⅱへのオマージュとのこと。なかなか洒落が効いてますね。

中型二輪の教習車でよく使われていた

僕が初めて自動二輪免許を取得するために教習所に通ったのは1985年ですが、当時の中型用教習車にはホークⅡがまだ多く使われていました。

小型二輪取得後、中型二輪(現:普通二輪免許)へ限定解除するために再び教習所に行くと、「ホークⅡとCB400F、どっちがいい?」と言われて戸惑ったことがあります。

スタイルや性能で言えば断然CB400Fなのですが、狭い教習所で課題走行をこなすにはホークⅡのほうが乗りやすそうです。

「どっちも乗ればいいじゃん」と思うかもしれませんが、中型二輪の限定解除は教習時間が3時間で見極めです。

どっちも乗っていたら、車種になれる前に教習時間がオーバーしてしまいます。最短時間で限定解除するには、車種を固定したほうが効率がよいです。

当時、わざわざ小型自動二輪を取得→中型限定解除するのは珍しかったのか、教官もいろいろ気にかけてくれて「両方乗ってみて、気に入ったほうを選べばいいよ」と。

乗り比べると、軽くて出力特性がマイルドなホーク2のほうが課題走行をしやすかったので、ホーク2で教習を受けることにしました。

教官は「そっち選んだの?CB400Fは先月入れたばかりの新車なのにな~」とニヤニヤしていましたが、ビギナーの教習用にはホーク2のほうが乗りやすいことを知っていての含み笑いだったのでしょう。(その後、ホークⅡで無事、小型限定解除しました)

HAWK11 仕様諸元

<HAWK11>
■全長:2,190mm ■全幅:710mm ■全高:1,160mm
■ホイールベース:1,510mm ■シート高:820mm
■車両重量:214kg ■燃費:33.5km/L
■エンジン型式:水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒
■排気量:1,082cm3
■最高出力: kW[102PS]/7,500rpm
■最大トルク:104N・m/6,250rpm
■燃料タンク容量:14L
■変速機形式:常時噛合式6段リターン式
■タイヤサイズ:前:120/70ZR17 後:180/55ZR17
■アンチロックブレーキ(ABS):有り
■トラクションコントロール:有り
■スリッパークラッチ:有り
■発売年月:2022年9月
■メーカー希望小売価格:1,397,000円(税込)

HAWK11のエンジンは、CRF1100Fアフリカツインをベースにしており、レブル1100、NT1100と共用しています。

アドベンチャー、クルーザー、ユーティリティと、どんなフィールでも不足なしで使えるところが、このエンジンの優秀さを物語っていますね。

Rebel1100やNT1100で設定のあったDCTモデルは、HAWK11にはありません。

バイクの操縦感、操作フィーリングを楽しんでもらうためにDCTの設定をしませんでした。

スパルタンな外観なのにDCTじゃちょっと、、ね。

カスタムしなくてもカスタム車両っぽい

こういった佇まいの車両って、ベースモデルからちょこちょこ手を入れて自分好みに仕上げる、というのが常套手段でしたが、これは最初からスタイルがコーディネーションされています。

セパレートハンドル、下出しミラー

バーハンドル車両をセパハン化するには、トップブリッジからブレーキホース、クラッチホース、操作系ハーネスの取り回しなど、かなり大がかりな変更が必要です。

最近のホンダ車はドライブバイワイヤ化が進んでいますから、ワイヤの長さを変えるのも一苦労。

また、ミラーも、普通にデザインするとカウルに装着するか、バーエンドに取り付けるか、といったアプローチになりますが、HAWK11では、カウルステーからハンドル下に出す形でミラーをマウントしています。

若干見づらそうな感じがしますが、デザイン的にはすっきりとミラーを収められていて、個人的にはかなり好みです。

一からこういったカスタムをしようとするとかなりの手間ですが、メーカー純正でここまで作り込んでくれるのはありがたいですね。

足つきは…普通、前傾はそれほどキツくない

アフリカツインはやや腰高な車種で、そのエンジンを流用してのカフェレーサー化はかなり苦労したようですが、シート高を820mmに抑えたのはさすが。

身長170cmの普通体型であれば、両足は付くものの、踵が若干浮く感じです。

175cmであれば、両足べったり着きますね。

ライディングポジションも、セパハンのカフェレーサースタイルの割には前傾はそれほどキツくなく、ネイキッドモデルとあまり変わらない感じです。

このあたりは人によって感じ方が異なると思いますが、個人的にはツーリングでもそれほど腰に厳しくないかな、という感じです。

タンデムシートは装備されていますが、シートは小さくグラブバーもありませんので、タンデムツーリングはやや厳しいですかね。

ライダーのお腹に手を回すしかありませんので、そういう乗り方が好きな人はいいですが…(笑)

ちょっと時間があるときに気軽に乗り出すバイク

気合いを入れて遠出するのもそれはそれで楽しいのですが、このHAWK11は、休日の午前中などちょっと時間が空いたときにふらっと乗り出す、という、もっと気軽に乗ってほしいというメッセージがあります。

僕もよくやるのですが、朝、少し早めに家を出て、昼過ぎに戻ってくるような、ショートトリップまで行かないような走りですね。

HAWK11には革ジャン、革パンの王道スタイルで乗るのもいいですし、ジーンズにコンバースハイカットでカジュアルに乗るのも意外と似合いそうです。

「上がりのバイク」とか言ってますが、普通に若い人が乗ってもいいんじゃないですかね。

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