あおり運転で損害賠償請求が1億3千万!?人生を終了してしまった哀れな男の話

東名の煽り運転死傷事件以降、煽り運転が社会的にクローズアップされてきました。

当ブログでも、煽り運転に合わない方法や煽り運転に遭遇したときの回避の仕方などを紹介してきましたが、自動車・バイクの運転で言えることは

「イライラしても一銭の徳にもならない」

ということ。

一時の怒りに身を任せて行動しても、そのときはスカっとするかもしれませんが、その行動の結果、死傷事故が起きたりと代償はとてつもなく大きなものです。

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今回は、煽り運転で人生を終了してしまった男の話を紹介します。

煽り運転で損害賠償請求1億3千万!?

とある道路でトラックの挙動に腹を立てた車が、トラックの前に出て無理矢理停車させて因縁をつけて走り去った事件がありました。

トラックと男の車の間に何があったのかはわかりませんが、その男の車はトラックを煽り、前に出て強制的にトラックを強引に停車させたのです。

その時はトラックドライバーとの間で怪我をするような暴力行為にまでは至らず、男はそのまま走り去ったそうです。

トラックの積み荷が崩れ、荷物に損害が

しかし事件はそれだけでは終わりません。

トラックには精密機器メーカーから荷受した精密機械と部品を積んでおり、煽り運転によって強制停車させられた際に、急ブレーキで積荷の精密機械が崩れて壊れてしまったのです。

幸い、トラックにはドライブレコーダーが装備されており、トラックを強制的に止めた車の車種・ナンバーが鮮明に記録されていました。

運送会社は弁護士を通じてその車を特定し、その車のドライバーに対して、壊れてしまった精密機械の弁済費用である1億3千万円を請求したのです。

不法行為による損害は自己破産しても免責されない

一般的に車両同士の事故であれば、お互いの自動車保険によってその損害はカバーされますが、今回のケースは自動車事故ではなく、煽り運転した男の不法行為による損害であるため、自動車保険は適用されません。

一般的に1億5千万の損害をすんなりと賠償できる人はそう多くありません。

そうなると男には自己破産するしかありませんが、実は今回のようなケースでは自己破産したとしても損害賠償請求された1億3千万円の負債は免責されないのです。

「自己破産」というと全ての借金がチャラになると思っている人が多いのですが、実は免責されない負債もあるのです。

破産法253条ではその免責されない請求権について規定されています。

以下、破産法からの引用です。

(免責許可の決定の効力等)
第二百五十三条 免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
四 次に掲げる義務に係る請求権
イ 民法第七百五十二条の規定による夫婦間の協力及び扶助の義務
ロ 民法第七百六十条の規定による婚姻から生ずる費用の分担の義務
ハ 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務
ニ 民法第八百七十七条から第八百八十条までの規定による扶養の義務
ホ イからニまでに掲げる義務に類する義務であって、契約に基づくもの
五 雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権
六 破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権(当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。)
七 罰金等の請求権
引用:http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji21.html

破産法253条の2項(赤字部)で規定されているように、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権は例え自己破産しても免責されません

ちなみに、1項の租税等の請求権とは滞納している住民税、所得税、固定資産税、国民健康保険税、電気・水道代のこと、7項の罰金等の請求権とは裁判の判決で決められた罰金で交通違反の罰金も含まれます。これらも自己破産しても免責されません。

今回の紹介したような煽り運転は悪意を持って行っていることが明白なので、いくら自己破産しようともその損害賠償請求権は消えないのです。

1億3千万の負債を背負った男の末路

結局その男は1億3千万の損害を賠償することができず自ら命を絶ってしまったそうです。

本当にそのような結末だったのかは裏が取れませんが、1億3千万の借金をコツコツ返そうとしても、人間は先が見通せなければ将来に絶望して自死を選んでしまうことは十分あり得る話です。

恐らくその男の親族は相続放棄して男の損害賠償権は消滅してしまったと思いますが、運送会社は貨物賠償責任保険に加入しているので荷主に対しての損害賠償は保険でカバーされていると思います。

となると、保険金を支払った保険会社が煽り運転した男に請求していたのかもしれません。

一時の感情に任せた行動が人生を狂わせる

この話が実話かどうかは僕にとってはそれほど重要ではありません。

たとえこの話が作り話だとしても、実際の公道ではトラックと一般車のトラブルは快挙に暇がないですし、割り込んだ/割り込まれた、なんて話はドラレコが普及した今ではYoutubeに腐るほど動画がアップされています。

この話が私達に示唆することは「一時の怒りに身を任せて行動するリスクはとてつも無く大きい」ということ。

怒りにまかせてトラックを止めて自分の感情を想いのままに吐き出した男は、さぞ気持ちよかったことでしょう、そのときは。

しかしその行動の代償は、1億3千万円というとてつもなく大きいブーメランとなって自分に返ってきたのです。

まさに「短気は損気」を地で行く話。

感情むき出しで生きるのは賢い生き方ではない

自分の感情をむき出しで生きている人で得をしている人を僕は見たことがありません。

すぐに怒鳴る先生、感情に任せて怒鳴りつける上司、指導と称した体罰、等々、そのときは容認されていても、時間が経つにつれて「あの人のやり方、なんかおかしくない?」という評価になっていきます。

秘書を怒鳴りつける国会議員、権力を傘に理不尽な指導をするスポーツ指導者、恫喝人事で組織を掌握する某協会理事長、等々。

今ではこういった行動をとる人たちはパワーハラスメントとして社会的に非難されていますよね。

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「俺は短気だから」と言って感情的な性格を公言することは「私は自分の感情もコントロールできないバカなんです」と言ってることに等しいということを自覚すべきでしょう。

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