国産車で「ハイオクガソリン専用車」は高級車の一部かスポーツカーぐらいですが、外国車、特に欧州車にはハイオク専用車が多いです。
しかしレギュラーガソリンとハイオクガソリンの価格差は大体10~12円程度ありますから、お金が無いときはついつい「レギュラーでもいいんじゃね?」って思ってしまいますよね?
ハイオク専用車にレギュラーを入れても大丈夫なのでしょうか?
今回はそんなガソリンの疑問について解説します。
ハイオク車にレギュラーガソリン入れても大丈夫?
はい、大丈夫です!
ハイオク専用車にレギュラーを入れても壊れることはありませんし、故障することもありません。
ハイオクとレギュラーの違いは「オクタン価」というガソリンの”燃えにくさ”を表す値が違います。
エンジンを高出力化させようとすると、ガソリンの混合気を高圧縮した上で爆発させたほうがより大きな出力を得ることができます。(高圧縮化)
しかし圧縮率を高めると、プラグで点火する前に自己爆発してしまう(ノッキング)ため「燃えにくいガソリン」が必要になります。
それで必要なのがオクタン価が高いガソリンでハイオクタンガソリン、略してハイオクと呼ばれているものです。
とは言っても、現代の車は燃料噴射量をマイコンで制御しているため、ノッキングを検知すると自動的に燃料噴射量を抑えてノッキングしないように調整するので、レギュラーガソリンを入れても壊れることが無いのです。
多少のパワー低下を気にしなければ、ハイオク指定車にレギュラーを入れても特に問題ありません。
なぜ欧州車は「ハイオク専用車」が多いのか?
輸入車、特に欧州車には「ハイオクガソリン専用」車が多いですが、不思議に思ったことはありませんか?
それには地域によるガソリンのオクタン価の違いがあるのです。
地域 | オクタン価 | |
レギュラー | ハイオク | |
日本 | 89~90 | 90以上 |
欧州 | 95 | 98以上 |
北米 | 87 | 92以上 |
日本ではレギュラーガソリンのオクタン価が89~90程度なのに対して、欧州ではレギュラーが95のところが多いです。
つまり欧州のレギュラーガソリンは日本で言うところのハイオク相当なんですね。
一般的に欧州車の日本向け輸出台数は全体数から比べるとそれほど多くありませんので、日本向けの輸出車をレギュラー仕様にコストをかけて変更するよりも、ハイオク指定車としてそのまま輸出したほうがコストがかからないわけです。
ハイオクガソリンの洗浄力ってどのくらい効果があるの?
逆にレギュラーガソリン車にハイオクを入れることは全く問題ありません。
むしろ石油会社はレギュラー車へのハイオクガソリンを推奨しているぐらいです。
その理由の一つが、ハイオクガソリンに添加されている洗浄成分がエンジン内部に付着したカーボンなどを落とす洗浄効果です。
よく石油会社のホームページやガソリンスタンドで見るのが、エンジンの吸排気バルブに付着したカーボン(煤:スス)がハイオクを使うことでキレイに洗浄される画像です。
でもこれってエンジンの中を開けないとその効果はわかりませんし、運転している限りその効果を実感することができないんですよね。
確かにカーボン付着ってエンジンにとって良くないのかもしれませんが、かと言ってスポーツカーでもない普通のコンパクトカーやミニバンでエンジンをオーバーホールする人もそうそういないと思うんですよ。
なのでこんな言い方するとアレなんですが、ハイオクの洗浄効果って、TVでCMしている歯磨剤とあまり変わらないんじゃないかと思うんです。
CMでは歯が真っ白な芸能人やモデルを起用して歯磨剤の美白効果を盛んにアピールしていますが、多くの人は「ほとんど効果が無い」と感じていますよね。少なくともCMモデルのような白さにはその歯磨剤では絶対になれない。
確かに白さを数値で表現すればわずかながらの効果はあるのだと思いますよ。でも利用者が実感できるほどの効果が得られるかと言うとちょっと疑問です。
それと同じように洗浄効果はあるのかもしれないけど、利用者が実感できるほどの効果は無いんじゃないかと思うのです。
つまり多くの人は、レギュラーガソリンを使ってカーボンが付着しようが何しようがオーバーホールもせずに10万kmぐらいは普通に使うわけで「ハイオクにしたから良かった~」って実感する人はそういないのではないでしょうか?
まとめ
・欧州のレギュラーガソリンはオクタン価が95で日本のハイオク並。
・そのため欧州車のガソリンはハイオク指定が多い
最近は欧州車もCクラス(コンパクトカー)に力を入れてきていますが、ガソリン価格が上昇するとハイオク指定車ではランニングコストに敏感な日本のコンパクトカーユーザーへの訴求がが難しいかもしれません。
ちなみにバイクの世界も欧州車はハイオク指定が多いです。
でもバイクは一回の給油量が多くても10数リッターなので、車ほどランニングコストに神経質にならなくても大丈夫です。
というか趣味性の強いバイクで、しかも欧州車を購入する人はそこまでお金にシビアだと、この先のメンテナンス費用が大変でしょうね。
コメント