AT車のシフトは前から
・P(パーキング)
・R(バック)
・N(ニュートラル)
・L(ロー)
の順番に並んでいます。
MT車ならニュートラルポジションが必要なのはわかりますが、N(ニュートラル)レンジって何のためにあるの?って思ったことありませんか?
今回はそんなAT車のNレンジの話です。
基本的に運転中はNレンジは使わない
AT車で運転者が意図的にNレンジに入れるメリットは特にありません。
というか、よく赤信号で停車するときにNレンジにしてパーキングブレーキ(サイドブレーキ)を掛けて、ブレーキペダルを離す人がいますが、傾斜が付いている交差点だとパーキングブレーキのかかり具合によっては車が動いてしまうのでとても危険です。
「MT車じゃ普通にやってるよ」という人がいるかもしれません。
しかしMT車はニュートラルから誤ってシフトレバーを押し込んでもエンストするだけですが、AT車で誤ってDレンジに入ってしまうと、パーキングブレーキの効きが甘いと車は前進してしまうので大変危険です。
以前コンビニで見たヤバい車
以前、コンビニで買い物して店の外に出ると、エンジン掛けっぱなしの車から出てきた男性が入れ違いで店内に入ってきました。
その車の車内を見ると、Nレンジでパーキングブレーキを掛けただけ。
そのコンビニの駐車場は道路に向かって少し傾斜しているところだったので「危ないなぁ」と思ってみていたら、なんと後部座席に幼稚園児ぐらいの子供が2人乗ったままで、DVDを見ていたんです。
これの何が危ないかというと、子供ってDVDプレーヤーの電源が落ちたりすると、シガーソケットがおかしいことを知ってるので、助手席と運転席の間から手を伸ばしてシガーソケットをいじって治そうとするんです。シガーソケットの分岐プラグってよく可動部が接触不良を起こすので。
そのときに誤ってNレンジからDレンジに入ってしまう可能性があるわけです。NレンジからRレンジにはシフトボタンを押さないと入りませんが、NレンジからDレンジはレバーを押すだけで入ってしまいますからね。
これがせめてPレンジに入っていれば、意図的にシフトボタンを押さない限りATシフトは動きませんからまだ大丈夫なのですが。
なんでこんなことを言うかというと、実は僕自身が以前これと同じシチュエーションに遭ったことがあるんです。
僕の場合はPレンジに入れてましたが、機械式駐車場のパレットを下ろしている間、車内を見ていたら子どもたちがDVDプレーヤーの電源がおかしいことに気づいて、後席から身を乗り出してシガーソケットをいじってたんですね。
そのときハッと気づいてすぐに注意したんですが、これがNレンジ+パーキングブレーキだったら…と思うと背筋が凍りましたね。
もうそれ以来、子供を載せるときはエンジン掛けっぱなしにして駐車場の操作をしないようにしています。
AT車のNレンジの用途とは
じゃあ何のためにNレンジが付いてるの?って話です。
メンテナンス用として
ブレーキ整備やホイールハブなどの足回りを整備するときは、トランスミッションをフリーにして車輪を空転させたいときにNレンジを使います。
駆動輪でない車輪はPレンジ以外でも空転しますが、駆動輪はNレンジにしないとフリーになりません。
けん引用として
車が故障してしまった場合、レッカー車であれば駆動輪側を持ち上げてPレンジのままレッカーしてもらえますが、友人・知人の車でけん引してもらうときは、Nレンジにして駆動輪をフリーにしてあげる必要があります。
逆にATシフトが故障してPレンジから動かなくなってしまった場合は、他車にけん引してもらうことができないので、必ずレッカーサービスを呼ぶ必要があります。
まとめ
AT車のニュートラル(N)レンジは故障時にけん引するときとメンテナンス時に使うぐらいなので、通常の運転中、特に駐停車時にNレンジ+Pブレーキで止めるのは危険です。
停車時はDレンジのまましっかりブレーキペダルを踏むか、Pレンジに入れるようにしましょう。
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