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車・バイクの作業工賃が高いと難癖つけるのは時間のムダ

この記事は約6分で読めます。

先日、とある某掲示板を見ていたらこんな質問がありました。

近所のバイク屋にオイル交換を依頼しようと行ってみたら工賃が5千円と言われました。高くないですか?これってボッタクリですよね?

車やバイクの修理でありがちな話ですね。

誰でもそうですが、その作業の価値がわからないと「もしかしたらボッタクられているのでは?」と疑心暗鬼になってしまいます。

だからと言って

「オイル交換の工賃が5千円は高い!もっと安くできるはずだ!」
オイル交換が5千円なんて、ボッタクリじゃん!

とお店に憤るのはちょっと違います。

今回はそんな「作業工賃が高い」と思ったときに考えてほしいことを書いてみたいと思います。

商品の値段を決めるのは提供者、価値を決めるのは消費者

オイル交換の経験がある人は作業の手間を知っているので、もしかすると5千円という作業費は高いと感じるかもしれません。

しかしそれを「高い!」とお店に文句をいうのはお門違いです。

日本は自由経済の国なので、商品やサービスをいくらで提供するかはお店が自由に決めることができます。

人件費、店舗の固定費、経費、利益を考えて提供価格を決めますから、提供価格にはお店なりの理由があるわけです。

我々消費者ができることは

「高いと思ったら買わない」

ただそれだけです。

「高いからまけろ」というのは消費者のエゴ

オイル交換の工賃が5,000円と聞いて高いと感じたということは、

・以前オイル交換をしたことがある
・別のお店ではもっと安い工賃で作業してもらった

といった経験があったからだと思います。

よく

「なんでこんなに高いんだ!○○ではその作業は△△円でやってるぞ!」

と、他店に対抗するようお店に迫る人がいますが、これは消費者のエゴです。

お店にしてみたら

「△△円が高いなら、どうぞそっちのお店に行ったらどうですか?」

でしょう。

レストランでもそうですが、メニューの値段を決めるのはお店側であって客ではありません。

サービスと価格が合っていれば繁盛しますし合っていななければ客が離れる、それだけです。

家電量販店のように「他店より1円でも高かったら値下げします!」って対抗姿勢を打ち出しているお店なら値下げ交渉もアリですが、それをやっている整備工場は見たことがありません。

標準工数「レバレート」とは

どこの整備工場でも1時間あたりの標準工数、いわゆるレバレートが設定されています。

大体1時間あたり6,000~10,000円に設定されていますね。ディーラーだと8,000円/時のところが多いです。

例えば、ある車種のオイル交換がサービスマニュアルで「0.3H」とされていた場合、レバレート8,000円の工場では

8,000円 x 0.3H = 2,400円

がオイル交換の作業費(工賃)になります。(オイル代、交換部品代は別途必要)

この作業費、高いと思いますか?

このレバレートには、

・給料
・通勤費
・法定福利費(社会保険、厚生年金)
・事務所・工場の賃料
・整備用機材などの設備費
・間接部門のコスト
・利益

が全て含まれて、時間単価(レバレート)が設定されています。

おそらくこの記事を読んでいる皆さんの会社も、きっとこのぐらいの単金設定をしているはずです。

仮にあなたの月給が40万円で、1日8時間、月に20日働くとすれば、月間労働時間は160時間なので時間単価は2,500円。

ただしこれは給与だけなので、法定福利費や事務所の家賃、机や業務用パソコンなどのコストを考えれば、倍の5,000円/時間は無いと会社を維持できません。

そう考えると、レバレートが8,000円というのはそんなに高い設定ではないことがわかります。

消費者ができる唯一の行動は「価値に納得できないなら買わない」こと

我々消費者ができるのは「価格に納得出来ないなら買わない」、それだけです。

そのお店の価格が高いと思えば、利用しなければいいのです。

時々「誤った価格設定であることを知らしめてやる」と義憤に駆られる人がいますが、これって言い換えれば

「俺の豊富な知識で、この勘違い店主の間違った価格設定を正してやる」

と言ってるようなものです。

これって単に自分の意見を押し付けて気持ちよくなりたいだけの「エゴ」ですよね。

その作業について市場価格を知っている人であれば、その価格の根拠もある程度知っているので「ちょっと高いですね。○○では△△円ぐらいでやってますよ」と言いたくなる気持ちはわからなくもありません。

でもそれは「ヨソはヨソ、ウチはウチ」なんです。

例えば、自宅兼店舗で家賃が発生しないショップであれば、工賃を安く設定することができるでしょう。

実際、知り合いの自宅兼ショップを経営しているオヤジさんはすでに住宅ローンが終わっているため、固定費は安く抑えられているのだそうです。

しかも二人いるお子さんは大学を卒業して就職しているため、レバレートを安く設定しても夫婦二人が食べていくには十分とのこと。

これって、おじいちゃん・おばあちゃんが何十年も値上げせずにやっている定食屋さんと同じ構図です。家賃負担が無くて自身の給料は食べていける程度取れればいい、というスタイルですね。

そういうお店の価格を出して「高い!」とクレームすることは、あまり意味が無いのです。

自分が出来ないこと=価値があること

オイル交換は比較的簡単な整備の一つですが、車やバイクを所有している人に「あなたはオイル交換を自分でしますか?」と質問したところ、実に7割以上の人が「自分ではしない」と回答したそうです。

その理由は、

・やり方は知っているが面倒だから
・廃油の処理が面倒だから

というのが圧倒的に多かったそうです。

中には「以前は自分でやっていたが費用を払ってやってもらったほうが早くて確実だから」という意見もありました。

僕もそうでしたが、オイル交換って自分でやると結構面倒なんですよね。

ガレージがある人はそうでもないのかもしれませんが、僕のようにマンション住まいだとオイル交換するのに工具や廃油受けなどを自宅から駐輪場/駐車場まで持っていき、作業が終わればまた自宅まで…といった一連の準備~後片付けの手間があります。

それらの作業が面倒だと思う人にとっては、お金を払って作業を委託することには「価値」があります。

これは正しく「時間をお金で買う」ことに他なりません。

まとめ

今回このテーマを取り上げた理由は、知り合いの整備工場の方が「最近はネットが発達したせいか、他店の工賃を示して「この金額でなんで出来ないんだ!」ってキレる人が多い」と嘆いていたのがきっかけです。

お店ごとにバラツキが多かった作業工賃についても「高い」「安い」といった情報が容易に手に入るようになったことが大きいのでしょう。

しかも最近はメルカリなどの個人売買サイトで気軽に値下げ交渉できることも、実店舗への値下げ交渉のハードルを押し下げているように思います。

しかし、上にも書いたように価格を決めるのはお店であり、その価格にはお店なりの根拠があります。

レースメカニック出身で本当にいい仕事をするお店などは、レバレートが10,000円/時を超えるところも少なくありません。

「この作業が○○円というのが高いか安いか判断がつかない」というときは、他店で見積もりを取ってみれば世間相場が見えてきます。

軽く値下げ交渉するのはいいですが、決して自分の価値観をゴリ押しするような交渉は止めましょう。
 

コメント

  1. sugari tori より:

    海外では価格交渉は当たり前ですが…

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