自動車の性能向上に伴ってタイヤの性能も年々アップしているのに関わらず、パンクによる救援要請が年々増えているのだそうです。
JAFによると、救援要請の第一位が「パンク・バースト・エア不足」で、全体の約35%(2017年)を占めているとのこと。
なぜパンクによる救援要請が増えているのでしょうか?
パンクが増えた理由
ハイブリッド車の普及
近年はハイブリッド車の普及が進んだこともあって、ガソリンスタンドに行く回数がガソリン車に比べて減っています。
従来は給油のタイミングで空気圧をチェックする機会がありましたが、給油タイミングが減ってしまったために空気圧をチェックする機会も減ってしまいました。
街中を走っているハイブリッド車を見ると、明らかにタイヤの空気が足りない状態の車両をよく見かけます。
タイヤの空気は徐々に減っていくのでドライバーは気づきにくいんですね。
低扁平率タイヤの普及
最近の車は扁平率55%とか50%というタイヤが増えてきました。
「扁平率って何」という方は過去記事をどうぞ。
扁平率が低いということはタイヤのサイドウォール部が短いので、扁平率の高いタイヤに比べて剛性が高くなります。
剛性が高いこと自体は悪いことではありませんが、その反面、空気圧が不足してもタイヤが潰れにくいので、空気が減っていることをドライバーが気づきにくいのです。
車が好きな人は日常的にタイヤの空気圧を測って管理できますが、車を単なる道具としか見ていない人であれば何ヶ月も空気圧をチェックせず乗り続ける人も少なくありません。
タイヤは空気圧が低いと常に潰れながら回転するため、連続した形状変化によって熱を持ち、やがて破裂・破断に至ります。
車が故障しなくなったため
「車が故障しなくなったからパンクが増えた」っておかしくない?と思うかもしれません。
かつて自動車は「壊れて当たりまえ」のものでした。
自動車の構造を勉強し、簡単な整備が出来ないと乗れない乗り物だったのです。
使っていくうちに壊れるのが当たり前の乗り物なので、今でも車検が法律で義務付けられています。
しかし近年では自動車自体の信頼性が飛躍的に向上し、重大な故障はそうそう起きなくなりました。
車が壊れなくなったおかげで、逆にドライバーのメンテナンス能力が下がってしまい、タイヤの空気圧低下も見逃すケースが増えてきたわけです。
パンクを未然防ぐにはどうすればいい?
最低限、月に一度は空気圧のチェックを
毎日チェックする必要はありませんが、最低限、月に一度はタイヤの空気圧をチェックしましょう。
ウチは大体月に1回給油するので、そのタイミングで空気圧チェック&補填しています。
また、扁平率が60~70ぐらいのタイヤなら、乗車前にタイヤを見て「潰れ」具合を確認します。
空気圧が不足していると、設置側(下側)のサイドウォール(側面)が上側よりも少しだけ膨らみます。
乗車前にタイヤの外観確認を
乗車前にタイヤのサイドウォールを見て、ヒビや割れが無いことを確認しましょう。
特に野外駐車している車のタイヤは紫外線で劣化が進みやすいです。
タイヤ交換してから年数が経っているタイヤは特に注意が必要です。
ついでにタイヤの減り具合(溝)もチェックしておきましょう。
まとめ
現代はプリクラッシュセーフティシステムやレーンキープアシストシステムなどの安全性能技術が軽自動車にまで搭載されるようになってきましたが、タイヤだけは未だに空気圧点検や交換時期のチェックは人間まかせになっています。
いずれタイヤも自動で空気圧をチェックしたり、タイヤの溝を自動で検知するような仕組みが搭載される仕組みが整備されてきますが、それまでの間は、運転者自身がこまめに空気圧をチェックしてあげる必要があります。
今はテンパータイヤ(予備タイヤ)が標準装備されず、そのかわりにパンク修理キットが標準装備される車が増えてきました。
出先でパンクしても慌てないよう、パンク修理キットの取扱説明書を一読していざというときのために備えておきましょう。
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