いくら運転に気をつけていても、自分以外の不注意で起きる事故、いわゆる「もらい事故」を防ぐのは難しいです。
もらい事故って何?という方は以下の記事が参考になります。
もらい事故に備えるためには、保険を充実させるしかありませんが、単に保険に加入するだけでは足りません。
今回はもらい事故に備えるために必要なポイントについて解説します。
防げる事故と防げない事故
公道上の事故には、自分で気をつければ避けられる事故と、自分では防げない事故の2種類があります。
「防げる事故、防げない事故」については。以前下の記事で触れています。興味のある方は参考までにどうぞ。
ざっくり言うと、防げる事故とは峠攻めたりとか無理な追い越しとかすり抜けとか、それをしなければ起きなかった事故のことで、防げない事故とは、交差点で停まっていたのに追突されたとか、信号無視してきた車にハネられたとか、突然落下物が落ちてきた、などのもらい事故ですね。
一方で、交差点で停まっていたのに追突されたとか、青信号で通過していたのに信号無視で横から突っ込まれた、というのは避けようがありません。
防げない事故は保険でカバーするしかない
もうこれは車もバイクも関係なくて「公道上には防げない事故がある」という前提で考える必要があります。
バイクを反対する人にいくら「無謀な運転はしない、安全には十分気をつける」と言ったとしても、「いくらあなたが気をつけても、周囲に巻き込まれる可能性はあるでしょ?」と反論される場合が少なくありません。
かと言って「防げない事故」をいくら考えたところで防げないのですから、僕はこの防げない事故は十分な補償のある保険でカバーするしかありません。
万が一事故に巻き込まれても、残された家族に補償を残せる保険でカバーするという考えです。
自分が亡くなる前提の話を考えるのはイヤなものですが、それを考えずにただバイクに乗りたい!だけではただの子供です。大人なら、
・残された家族が生活していくにはいくら補償が必要なのか?
・そのためにはどんな保険が必要なのか?
は最低限考える必要があります。誰だってイヤですけどね、こんなこと考えるのは。
でもバイクという趣味を楽しむ以上は、万が一に備えることは避けては通れません。
弁護士特約を付けるのを忘れないで
しっかりとした任意保険に加入するのは当然として、忘れてはならないのが弁護士特約です。
もらい事故の場合、相手の過失が100%なので自分が加入している保険の出番は一切ありません。
そうなると、相手の保険会社の担当者と
- 事故車両の原状回復費用(修理代)
- 修理で車が使えない期間の補償
- 事故による怪我、通院費用の補償
- 怪我による慰謝料
- 事故による車両価値減損分の補償
といった示談交渉を、被害者であるあなた自身がやらなければなりません。
事故対応のプロと、事故の素人が示談交渉すればどちらが有利になるかは想像つきますよね。
そういうときでも弁護士特約を付けておけば、示談交渉を事故処理に長けた弁護士にまかせておくことができるので安心です。
実は以前、高速道路の渋滞時に後ろから追突されたことがあります。
幸い怪我は無かったのですが、僕が完全停車時だったので過失割合は10:0。
この場合、僕は過失割合が0なので、僕の加入している保険会社は何もしてくれません。
相手の保険会社の方は大変丁寧な口調ですが、当然ながら保険会社もビジネスなので余計な補償はしなくて済むように条件を提示してきます。
僕のケースでは、相手の保険会社は修理代全額、修理期間中のレンタカー代に加えて見舞金5万円を提示してきました。
と、その内容で示談したのですが、数年後、知り合いの法曹関係者にその話をしたところ、こう言われました。
「しかも新車から3年以内だったら評価損分も取れるんですけど、残念でしたね」
評価損とは、修理によって外観は完璧に修理出来たとしても、修理歴が付くことで事故車扱いとなり売却時に評価が下がってしまうことです。
事故による修理が無ければもっと高い価値があったのに、事故によって損失してしまった価値を「評価損」と言うのです。
後から言われてみれば納得しますが、当時はそんな知識もなくむしろ「見舞金5万円もくれるんだ!」と喜んでいたぐらいです。
相手の保険会社の担当者はさぞ「チョロい被害者だ」と思ったことでしょう。
自動車保険の「弁護士特約」を付けておけば、こういった過失割合0の場合でも弁護士に交渉を依頼できますし、きちんと被害者側の利益を確保してくれます。
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バイクより大事なものがあれば辞めるのもアリ
どうしても「防げない事故」に対して失うものが大きいと考える人は、バイクを辞めるのも一つの考えだと思います。
子供がまだ小さくて彼らが大学卒業するまでの生活費、学費を完璧に補償すること考えると保険料負担が大きくて、バイクに乗ること自体のリスクが大きい、と考える人もいます。
このあたりは各人、各家庭の考え方なので「こうすべき」という答えはありません。
だから僕はこういった判断をする人のことを「日和ったな」とか「家のためにバイク降りるなんて」とは思いません。むしろ自らの判断でバイクを降りた英断に敬意を表しますね。
子供が巣立って余暇が出来たら、また乗ればいいですしね。
リスクを考えすぎると人生が楽しくない
ただ一方で、あまりにもリスクを考えすぎると、何のために生きているのかわからなくなります。
ただひたすらリスクを抑える生き方は、どこか窮屈で面白味に欠けると思いませんか?
バイクは慢心せずに注意して乗れば安全な乗り物です。経験を積むことでヒヤリハットを減らしライダーを事故から遠ざけてくれます。
その上で、自分で防げない「もらい事故」には、十分な保険を掛けておくことでバイクは巷で言われるほど危ない乗り物では無くなります。
言い方はアレですが「安心をお金で買う」わけです。
安心をお金で買う
一般的に、交通事故では損保(自動車/バイク保険)、病気では生命保険と考える人が多いですが、生命保険でも交通事故をカバーしているものが少なくありません。
自分が加入している生命保険でどこまでカバーされているのかを知り、足りないところを自動車保険/バイク保険でカバーしていれば、万が一の事故に無駄なく備えることができます。
もし自分で調べるのが大変なのであれば、保険相談サービスを使ってみることをオススメします。
僕も生命保険、医療保険でどこまでカバーできるのか保険約款で確認しようとしましたが、老眼で小さい字が読めずに諦めました(笑
そのため自分で調べるのを諦めて保険相談のFPに相談しました。
担当ファイナンシャルプランナー(FP)の力を借りて、現在の生命保険、医療保険がどこまでカバーしているのか、それが今の自分の状況をカバーするに足りる内容なのかを評価してもらいました。
相談料は無料で、現在の収入、家族構成から必要な保険額をシミュレーションし、今加入している保険の過不足をFPの視点で評価してくれるので、自分の生命保険でカバーできる事故の範囲がよくわからない人は相談してみるといいと思います。
保険相談したからと言って保険に加入する義務はありませんし、無理な保険セールスもありません。
FP自身が保険代理店を兼ねているので保険については知らないことはありませんので、損保含めてわからないことは相談してみるといいでしょう。
まとめ
もらい事故などの自分で防げない事故には、十分な保険を掛けるしか対応策はありません。
そのリスクをどのくらい考えるかは人それぞれです。
2.バイクを降りる(辞める)
3.リスクをケアして乗り続ける
僕は子育てをしながら3番を実践しています。
個人的にはバイクを辞めたとしても、現代に生きてる以上、別の不安が次から次へと出てくるので、リスクと楽しみのバランスを取りながら生きることにしています。いいとこ取りと言えばそうですが。
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