ファミレスやコンビニで「前向き駐車」と書かれた駐車場を見かけたことはありませんか?
これは、夜間、バック駐車すると車の正面にあたる家から「車のライトが眩しい」と苦情がくるため、ライトがそのお家に当たらないように「前向き駐車」をお願いしています。
また、駐車場のすぐ隣がアパートやマンションの場合、後ろ向き駐車だとマフラーから排出される排気ガスが部屋の中に入ってくるため、その駐車場を管理するお店にクレームが行くわけです。
とは言っても「前向き駐車でお願いします」と書かれていても、後ろ向き駐車に慣れているとそのままバックで駐車する人も多いのではないでしょうか。
日本で前向き駐車が普及しない理由を考えてみました。
1. 土地が狭い
地方のコンビニは比較的駐車場が広いですが、1台あたりのスペースって都市部のコンビニとそれほど変わらないですよね。
日本の商業施設の駐車場は、概ね「幅:2.5m」「長さ:5m」で想定しているところがほとんどです。
幅2.5mだと、横の車との間隔が狭く、頭から入れる「前向き駐車」は結構大変です。
コンビニは隣の駐車枠との間に50cmのギャップ(U字ライン)を設けているので、両脇で50cm、約3mを使えることになります。
このくらいであれば、前向き駐車もいくぶん楽にできます。
とはいえ、施設に対して90度正対する前向き駐車は、3ナンバーなどの車格がある車だと入れづらいですよね。
僕は、駐車するときの楽するよりも、出るときに楽なほうを選択するので「面倒なことは駐車するときにやってしまおう、そうすれば出るとき楽だから」と考えます。
友人や職場の人もけっこうこの考えの人が多いです。
2. 長年のバック駐車習慣
元々日本は土地が狭いので、自宅駐車場、商業施設など、ほとんどがバック駐車です。
狭い区画に駐めるにはバックで駐車するほうが小回りが利くので、必然的に自動車の運転にはバック駐車が多くなります。
この、長年染みついたバック駐車習慣は、急に変えるのは中々難しい。
例えば、たまたま入ったコンビニで「前向き駐車でお願いします」と看板があったとします。
他の車が前向きに駐車していれば「ああ、そういうことね」と他の車にならって前向き駐車できますが、駐車している車が一台も無かったら、結構な確率でバック駐車してしまう人が多いのです。
アメリカだと、駐車場の進入路に対して斜めに駐車枠が描いてあるので、あまり考えずに前向き駐車できるようになっています。土地が広いからできるんでしょうね。
アメリカのスーパーマーケットも、タイヤ止めが無い代わりに駐車枠が斜めに切ってあって、前向き駐車しやすいように駐車場がデザインされています。
あれ、駐車が凄くラクなんですよね。
最近は割と広めの駐車スペースが増えている
最近は、新規にオープンする商業施設の駐車場は割と広めに設定されているところが増えている感じがします。
古い施設だと、単に線で枠を引いているだけの駐車場でしたが、最近はコンビニのように隣の駐車枠との間に50cmのギャップを設けて、乗り降りしやすいように考慮されています。
駐車場も、障害者の乗り降りがしやすい「思いやり駐車場」や、誰でも駐車しやすいユニバーサルデザインの考え方が反映された結果でしょう。
土地の狭い日本では、前向き駐車の普及は望めませんが、極狭駐車場は徐々に改善されていくのではないでしょうか。
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