「教育訓練給付制度」ってご存知ですか?
これは国がやっている職業訓練事業の一環で、社会人のスキルアップにかかる費用の20%を雇用保険から助成するというものです。
実はこの「教育訓練給付制度」を使うと、運転免許の取得費用の20%を助成してもらえるので安く免許を取得することができるんです。
教育訓練給付制度とは?
教育訓練給付制度とは、労働者の主体的な能力開発の取り組みや中長期的なキャリア形成を支援するために、ハローワークが教育訓練受講に支払った費用の一部(20%)を支給して、受講に伴う諸経費の負担を支援するものです。
…って言うとなんか失業したときの職業訓練費用をハローワークが助成するように聞こえますが、失業していなくても、自身の能力を高めるための職業訓練であればこの給付制度を使えるんです。
というもの、国は雇用保険の加入者(サラリーマンですね)が自身の能力を高めることは雇用の安定に繋がりますし、失業率が低下することは安定した税収をもたらしますから、国にとってもメリットがあるわけです。
幅広い職業訓練
教育訓練給付制度が使えるものは多岐に渡ります。
例えば、英語力をアップしたいので英会話学校に通う費用や教材購入費用でもいいですし、フォークリフトを運転するための費用を助成してもらうことも可能です。
他にも、調理師、管理栄養士、介護福祉士、ファイナンシャルプランナー、危険物取扱者、インテリアコーディネーターや気象予報士なども助成対象です。
運転免許も給付対象になるの?
フォークリフトなどの特殊車の訓練はもちろん給付対象ですが、一般の運転免許の取得も教育訓練給付制度の対象になるんです。
ただし普通免許の取得は給付対象にはなりません。
中型免許や普通二種など、普通免許を所持している前提で上位免許を取得する場合に助成されるのです。
例えば、運送会社に就職を考えているが普通免許しか持っていない場合は、その上位免許である中型免許や大型免許を取得する費用について助成されます。
タクシー運転手やバス運転手になる場合も、二種免許の取得は助成対象になります。
とは言っても、今は慢性的なドライバー不足ですから、自身で費用負担しなくても就職先のタクシー会社やバス会社が全額助成してくれるケースが多いです。
でも会社の助成で免許を取得する場合は、免許取得後、一定期間はその会社で就労することが条件になっていたり、免許取得後すぐに退職する場合は免許取得費用の返還を求められる場合があるので、自己資金で免許を取得すればそんなしがらみを避けられますね。
検定費用、試験費用は助成されない
細かいですが教育訓練の給付金は、あくまでも「訓練費用」に対して助成されるので、教習費用から検定料などを除いた費用の20%が給付される点に注意が必要です。
教育訓練給付制度を受給するには
受給資格
- 在職者の場合は、支給要件期間(雇用保険の被保険者として雇用された期間)が通算で3年以上ある方(初回に限り1年以上の方)
- 離職者の場合は、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内であり、かつ、支給要件期間が通算で3年以上ある方
- 過去に教育訓練給付制度を受けたことがある方は、3年以上経過していること
- 65歳未満の方
普通にサラリーマンで雇用保険に加入している人であれば、ほとんどの人は該当すると思います。
ちなみに雇用保険に加入していない人(公務員など)は給付対象外です。
支給額
訓練費用の20%。ただしその額が10万円を超える場合は10万円まで支給されます。(訓練費用が50万円でMAX10万円の給付)
注意が必要なのが、あくまでも「訓練にかかる費用」について助成されるという点です。
教習所での仮免許試験料、仮免検定料、卒業検定料などは訓練ではないので、これらの費用を除いた額の20%が給付対象となります。(細かい…)
また訓練費用が4千円以下の場合は支給されません。
通学予定の教習所(合宿含む)に確認する
多くの教習所では教育訓練給付制度のことを知っていますから、自分が取得しようとする免許種で給付金が使えるかどうか、使う場合の手続方法について、相談に乗ってくれると思います。
というのも、今は少子化でどこの教習所でも顧客獲得に必死ですから、助成金を活用した免許取得については教習所が一番知っています。
教育訓練給付金のまとめ
今はどの業界も慢性的な人不足なので、免許取得に関しては会社側で負担してくれるケースが多くなりました。
しかし、自宅にほど近い運送会社に入りたいが、そこは免許取得を会社でサポートしていないとか、希望する会社は見つかっていないが免許は取得しておきたい、というような場合は、教育訓練給付金制度をつかって自己負担分をなるべく抑えるといいでしょう。
コメント