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ハイクや車のLED化は本当にエコなのか?電気初心者にもわかりやすく解説

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最近発売される車種は、車・バイク問わず、LED化された車種が多くリリースされていますよね。

今や、LEDライトにLEDウインカー、警告灯、表示灯もLEDに置き換わっています。

ご存じのように、フィラメントを熱で光らせる電球と比べ、LEDは発光ダイオードという素子自体が光るため、少ない電流で光らせることができるのと、部品の耐久性が飛躍的に向上しています。

そうなると、電球で装備された旧車もLED化したい、という要望が出てくるのは当然ですが、旧車のLED化は思っているほど省電力化できないんです。

え、LEDって電球より消費電力少ないんだから、そのまま付け替えすれば消費電力下がるんじゃないの?

と思っている人、結構多いのですが、実はそう簡単な話ではありません。

今回は、旧車のLED化に必要な電装系の話を、電気初心者でもわかりやすいように解説していきます。

旧車の電装はどうなってるの?(回路)

まず、ここで言う「旧車」の定義ですが、いわゆる絶版車のことではなく電装がLED化されていない車両のことを便宜的に「旧車」と呼んでいます。

そのため、2018~2020年以前の既存車種はほとんど該当するかと思います。

ちなみに僕のSR400(2017年製)は、基本設計自体が古いので、ライト、ウインカー、ブレーキランプ、メーターランプの全てが電球です。

ヘッドライトの回路

バイクの電球を光らせる回路は、単純に書くとこんな感じです。

バッテリーの+極から抵抗を介して電球に流れ、アースに戻ります。

ヘッドライトなんかは常時点灯ですから、基本回路はこんな感じ。

理科の時間に習う乾電池+豆電球の回路と同じですね。

電球を光らせる明るさを変えるには流す電流量を変える必要がありますが、抵抗を小さくすれば明るくなり、抵抗を大きくすれば暗くなります。

ヘッドライトのLED化

最近はヘッドライトもLEDバルブが増えてきましたよね。

電装系はそのままで、ライトバルブをハロゲン球からLEDバルブに変える、いわゆる「ポン付け」できる製品が増えてきました。

回路はこんな感じ。

僕も先日SRのライトが切れたので、この機会にLEDバルブに変えてみたところ、消費電力は1/3に下がって光量が2倍に増えました。

純正のハロゲン球は12V 60W(High)/55W(Low)なので、ハイビーム時には60W / 12V = 5Aも流れてます。

LEDに5Aも流すと一瞬で壊れますから、抵抗を大きくして電流を絞ります。

LEDライトは定格21Wとのことなので、21W / 12V = 1.75A流れることになります。

LED化の問題はウィンカー

ヘッドライトやテールランプなどの常時点灯するライトのLED化は、上で説明したように自作で対応するにしてもそれほど大変ではありません。

問題はウィンカーのLED化です。

ウィンカーのLED化がなぜ面倒なのかを説明します。

ハロゲン球のウィンカー回路

電球タイプであるハロゲン球のウィンカー回路はこんな感じ。

ウィンカーは当然ですが点滅しなければなりません。

その点滅制御する回路が青点線で囲った「ウィンカーリレー」です。

コンデンサと抵抗を直列で接続すると、コンデンサの充電~放電時間を制御することができます。

ちょっと難しい話になりますが、一定間隔で回路をON/OFFするにはコンデンサの容量と抵抗値を組み合わせることで、どんな点滅時間を作ることができます。(RC回路)

τ(時定数:s) = C(コンデンサの容量:F) x R(抵抗:Ω)

ウィンカーの点滅時間は、道路運送車両法で規定されており、一分間に60回~120回の間と定められています。

概ね、80回/分となるようにウィンカーリレーの時定数が設計されていることが多いです。

ウィンカーをLEDに変えると…

で、問題はここから。

ハロゲン球のウインカーをLEDに変えると、回路はこうなります。

単純にウインカー球をLEDに変えると、ウインカーが正しく点滅せず、ハイフラッシャー(高速点滅)してしまいます。

なぜこうなってしまうかと言うと、LEDは消費電力が少ないため、制御回路側で「電球が切れた」と判断して、それを知らせるハイフラッシャー(ハイフラ)回路が作動してしまうからなんです。

本来は、ウィンカーバルブが切れたことを知らせるための回路が、LED化することで作動してしまったわけです。

じゃあ、従来のハロゲン球と同じように電流を流すようにすればいいのでは?と考える人もいて、回路の途中に電流を熱に変えるセメント抵抗を入れて、点滅回路を騙す(?)やり方もありますが、そうなると本来LED化で省電力化したかった意味が無くなります(本末転倒)。

ウィンカーのLED化は専用のウィンカーリレーを入れるしかない

ということで、ウィンカーのLED化には、LEDウィンカー用のリレーに交換するしかありません。

LEDウィンカー用のリレーは、LEDに流す微弱な電流でも点滅するよう電子制御化されており、マイクロコンピュータでウィンカーON/OFFを制御しているものがほとんどです。

LED対応のウィンカーリレーが市販されているので、LEDウィンカーと同時に導入すれば対応できます。

電球をLED化すると、点滅はするものの、逆側のウィンカーも微妙に点滅したり、ポジションランプやメーターランプも同期して点滅してしまうことがあります。

これは、LEDが消費電流が少ないために余った電流が逆流して他の点灯回路に流れてしまうために起きる現象で、これを防ぐためには、逆流防止用のダイオードをウィンカーリレーとLEDの間に入れる必要があります。

結局のところ、LED化はエコなのか?

LED化は「省電力」やLEDバルブ自体の「長寿命化」がメリットではありますが、そのメリットを享受できるのは、最初からLEDで設計・製造された車種だけです。

ハロゲンバルブで設計された車種をLED化するには、上で説明したように

1) LEDヘッドライトバルブの購入
2) LEDウィンカーの購入
3) LEDウインカー用のウインカーリレーの購入
4) 必要に応じて逆流防止ダイオードの挿入

といった改造が必要です。

1はともかく、2~3は市販ウインカーキットで2万円程度の費用が必要になるわけで、そのコストをかけてLED化すべきか?という話になってきます。

よく考えてみれば、ウィンカーバルブってそうそう切れませんし、交換球も数百円程度です。

恐らく、10万Km以上乗る間、ウインカーバルブを数回交換したところでLED化の費用までいきません。

そう考えると、旧車のLED化は…どうなんでしょうね。

まぁ、バイクなんて自己満足な趣味なので、本人がやってみて満足すればそれでいいとは思います。

車両のLED化については、たくさんのWebサイトやYoutubeにノウハウが出ていますので、そういった情報を参考にするとよいと思います。

中にはある程度の電気的知識を持っていることを前提とした解説となっているサイトもありますので、LED化の挑戦は自己責任で。

僕は…誰かに安くLEDウインカーキットを譲ってもらったらやるかも。

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