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親の免許返納に成功したので、その経緯を書いてみる

この記事は約15分で読めます。

私の父は、何年か前に説得に説得を重ね、ようやく免許返納することができた話を以前書きました。

高齢の親に免許を返納させる効果的な説得方法 大事なことはプライドを傷つけないこと
最近、高齢者の運転ミスによる死傷事故の報道をよく目にします。 先日も茅ヶ崎で90歳の女性が赤信号を無視して交差点に突っ込んで4人の死傷者が出てしまう痛ましい事故がありました。 「赤信号とわかっていたが、歩行者が渡り始めていなかったのでいける...

今回は、妻側のお義父さんの免許返納に成功したので、そのときの経緯について書いてみたいと思います。

義父の免許事情

義父は、電気設計畑を長年歩んで来た人で、某大手電機メーカーで働いていたときに同僚とドロップアウトして起業した人です。

こういうとすごくバイタリティ溢れた人のように見えますが、実際は設計以外はからきしダメで、経営や営業的なことは同僚が担当していたのだそうです。

よく言えば愚直なエンジニアですが、悪く言えば専門以外は門外漢という人です。

普通免許は持っていますがそれほど運転はせず、週に一度、近所のスーパー銭湯に行くときに運転するぐらい。

それでも80歳も近くなると、危なっかしい場面もちょいちょい出てきて、私たち家族は「いつか事故を起こすんじゃないか」と不安がつのります。

あまり運転に執着しない人だし、長男と同居しているので自分が運転しなくても生活に支障がないので、免許の返納には応じてくれるかと思いきやさにあらず。

やはり一度手にした資格を手放すのは一筋縄ではいきません。

「なに、大丈夫だよ、ゆっくり走れば問題ない」
「長距離は運転しないが、昔から1週間と空けずに運転してきた」
「高齢者教習でも認知機能に問題無いと言われた」
「○○さんは年齢の割に反射神経がいいですね、と言われたんだよ」

という感じです。

最後の一言は高齢者教習の指導員のリップサービスだと思いますが、そんなこと言われりゃお世辞でも高齢者は嬉しいですよね。

まあ、どこの親御さんも免許返納に関しては同じような感じだと思います。

義父を説得したときの流れ

で、どうやって説得したのかというと、こんな感じです。

最近の危なっかしい運転について話をする

本人は気づいていないのですが、ここ数年、運転が荒くなって来たんですね。

個人的には、運転の衰えは、判断力や注意力が鈍るのではなく、細かい操作が苦手になってくるような気がします。

例えば、

・アクセルの踏む量が大きくなって急加速になる、
・急加速になってもそれを認知するのに時間がかかる。

という感じ。

事象を認知するのに時間がかかるようになるため、それを判断するのが遅れてしまいます。

妻は自分の親なので

「お義父さん、もう少し丁寧に運転してよ~、首が痛くなっちゃう」

とか、率直に伝えていました。

免許を返納して欲しいあまり、誇張して注意してしまうと逆効果なので、あくまでも本当に感じたことを伝えましょう。

家族の心配を伝える

家族からちょくちょくそんなことを言われると、運転技術の衰えを徐々に感じていくと思います。

ただ、いきなり免許返納の話をしても

「大丈夫だよ」
「そんなに大げさなこと言うな」

と取り合ってもらえません。

「最近は高齢者の事故も増えてるし…」
「お義父さんが人身事故の加害者になるのは嫌」

と、心配していることを率直に伝えました。

いきなり免許返納を突きつけない

「家族が心配しているから免許返納して欲しい」といきなり免許返納を突きつけるのは、心の整理をする時間がなくなるので最悪です。

今の70~80代が免許を取得したときは、マイカーを持つことが夢であり、ステータスだった時代です。

車に乗ることで楽しい思い出がたくさんできた世代なのです。

それを「家族が心配しているから」の一言で免許返納を迫れば、意固地になってしまうのは想像に難くありません。

ここはソフトに、

「今はまだ運転に支障が無いかもしれないけど、いずれ運動機能が落ちてくるだろうし死亡事故を起こしてからでは取り返しがつかない」
「今すぐ返納して欲しいと言ってるわけじゃないけど、考えてみてくれないかな」

と前振りしておきます。

高齢者による交通事故のニュースは、数ヶ月に一度は出てくるので、そのニュースをみると、家族に言われた言葉を必ず思い出します。

代替の交通手段を考える

とは言っても、素直に免許返納に応じる高齢者はあまりいません。

そこで、代替の交通手段を考えます。

義父は半径5km程度の移動が出来ればいいので、こんな感じの電動アシスト付きの三輪自転車を考えました。

電動自転車(二輪)も考えましたが、やはり80歳を過ぎると転倒が怖いのと、ヘルメット着用を嫌がると思ったので、三輪を考えました。(もちろん三輪車でもヘルメット着用すべきなのですが)

大体、10~15万円ぐらいで電動アシスト付き三輪自転車が買えると思います。

この時点では、どんな三輪自転車があるのか見るだけに留めておきます。

免許返納を説得する

絶好のタイミング(と言うと憚られますが)で、義父が門柱にドアをぶつけたんですね。

ぶつけたというか、バックで車を入れようとしたとき、目測を誤ってドアを擦った感じです。

軽くこするならまだしも、ドア板金の下地が見えるぐらいにゴリゴリに擦っています。

恐らく、行けるかなどうかな…というときに、普通であればやり直すものの、

「なんとか行けるんじゃないか」

という、判断力低下による強引な運転で擦ったのだと思います。

見た感じだと、板金修理と塗装で7~8万はかかりそう。

そこで、このタイミングで免許返納の説得をしました。

もちろん一筋縄ではいきませんでしたが、

・家族全員が心配している
・お義父さんに加害者になって欲しくない
・必要なときは家族が車を出す

ということに加えて、

・電動アシスト自転車をプレゼントする

ことを伝えました。

最初は「え~、自転車かよ」という反応でしたが、最近の電動アシスト自転車はメチャクチャ楽なのと、ラクなので乗るのが楽しいことをPRしました。

レンタル自転車で電動アシスト自転車を体験してもらう

最近は大手自転車屋さんだと、試乗用の電動アシスト自転車を用意しているところが多いです。

普通のママチャリは1~2万円に対して、電動アシストは6~15万程の高額商品なので、自転車屋さんも手厚く接客してくれます(笑)

近所の自転車屋さんに義父を連れていき、電動アシスト自転車を試乗させてみたところ、まんざらでも無い様子。

本人としては二輪がいいみたいでしたが、義母も乗るので三輪自転車にしてもらいました。

説得はあまりしつごくしないことが重要

という感じで、なんとか免許返納に同意してもらうことができましたが、80代も半ばになると、今度は自転車事故や転倒が心配になります。

とはいえ、アクセル踏み間違えによる暴走→加害者となることは無くなったのはかなり大きいです。

義父の説得を通じて効果があった点を挙げると、

・素直に「運転が荒くなった」ことを心配する
・急に免許返納を切り出すのではなく、将来の選択肢として考えてもらう(前振り)
・代替の移動手段も考えておく(重要)

といった感じです。

マイカーを維持するには、車両代金が無くても月額2~3万程度はかかるので、極論を言えば毎回タクシーを使ってもらっても全然ペイできると思います。

タクシー1回、往復で3,000円、月に6回使っても18,000円です。

でもお年寄りって、そういう考えが出来ないんですよ。

「タクシー使うのはもったいない」

と考えちゃうんですよね。

だったら、電動自転車のほうがいいと。アシスト付きではありますが、自分の足で漕ぐのは運動になりますし、天気のいい日に自転車で出掛けるのは季節の風を感じられていいみたいです。

全ての家庭に適用できる話ではありませんが、こういう事例もあるということで、参考になると幸いです。

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