乗らなくなったバイクを売ろうとしたら、今はまずネットで調べますよね。
検索結果から出てきた買取業者のサイトを見て、一番高値で買い取ってくれそうなところに連絡してみる、、、というのが普通の流れですが、なるべく高値で売却したいのであれば、買取業者の弱点や手の内を知った上で売却交渉に臨むべきです。
今回、僕がバイクを売却(というか乗り換え)するときの事前準備がかなり役に立ったので、その内容を紹介したいと思います。
売却に至った経緯
最近はZRXが重く感じるようになってしまったのが乗り換えを検討するきっかけでした。
僕は身長が172cmなんですが、ZRX1200Rにまたがると両足はつくものの踵が少しだけ浮く感じです。
ハンドル位置も微妙に遠くて僕の身長だとやや前傾になります。なんか身長180cmぐらいの人にちょうどいいようなポジションなんですね。
いや、身長170cmで乗れないかといえば全然そんなことありませんし、160cmの女の子でも乗りこなしている人はいます。ただ、もっと余裕を持って乗りたいんですよね。
ビッグバイクの中ではZRX1200Rは比較的コンパクトな車体ですが、それでも乾燥重量で230kg近くあるので特に低速での取り回しには神経を使います。
ビッグトルクを活かした高速道路のクルージングや軽快なワインディングもそれはそれで楽しいのですが、その反面、もっと気負わずに気軽にバイクに乗りたくなったんです。
ZRX自体はすごくいいバイクで、余裕があればいつまでも手元に置いておきたいバイクではありますが、家計的に2台持ちは厳しいので今回売却することにしました。
高く売りたいなら相見積もりが必須
で、バイクを高く売りたいなら、複数の買取業者との相見積もりが絶対に必要です。
これは今回の売却を通じて本当に強く思いました。
実はZRXを買う時、それまで乗っていたTW200を8万円で下取り(レッドバロン)してもらいましたが、相見積りも取らずに交渉したので
・RB「いや~ごめんなさい、これ以上は難しいです~」
とあっさり言われて終わりでした。
当時TWは人気があったので、同程度の車両なら買取業者で15万は値がついたことを後で知り、ZRXの納車で嬉しい気持ちと安く買い叩かれたもやもや感が交差して、とても複雑な気持ちで慣らし運転をしていた覚えがあります(笑
これは安く下取りしたレッドバロンが悪いのではなく、交渉カードを持っていない僕の「交渉負け」だったのです。
何の交渉カードも持たずに交渉すれば、毎日何十台というバイクを買い取っている彼らの言い値で買われてしまうのがオチです。
そりゃそうですよね、何の理由も無いのに「もっと安くしてよ~、もっとまけてよ~」なんて、オバハンの値切りと一緒で全く怖くないですからね。
ネットでの事前見積価格は全くアテにならない
買取業者のホームページには「カンタン査定」「ネット査定」といったような、車種/年式/走行距離/外観程度などを入れると、概算の買取額を簡易的に算出してくれるところもあります。
思っていたよりも高額な金額が出て「こんな値段で売れるの?」とビックリするかもしれませんが、その価格で買い取られることはまずありません。
これは言ってみれば、ホームページにアクセスしてくれた人を無料出張査定の申し込みにつなげるための「エサ」なんです。
景品表示法的にはどうなの?と思わなくもありませんが、彼らにしてみれば多くの買取業者の中から自社を選んでもらい、なおかつ無料出張査定までこぎ着けないとビジネスになりませんから、このようなベストケースの価格を「エサ」として出しているわけです。
もちろんこのベストケースの価格は嘘ではありませんが、高いパーツをふんだんに組み込んだ程度が極上のカスタム車の価格を出しているんですね。
なのでここでの価格はあくまでもベスト・オブ・ベストであることを認識しておきましょう。
その価格を鵜呑みにして交渉に臨むとその落差にガッカリします。
ちなみに僕のZRX1200R(2004年式)の価格が84万円でした。14年落ちの車両が84万なんてあり得ません(笑
買取業者は国産、外車の全車種、全モデルの価格を知っている
バイク買取業者は、国産/外国産、全モデルの市場価格データを持っています。
買取業者の多くは買い取ったバイクを業者間オークションに流して販売しているので、そこでの全ての落札価格データを把握しています。つまりリアルタイムな市場流通価格という情報を既に持っています。
実際に出張査定に来て価格を出してもらうと、どの業者もほとんど同じ価格に収束することに驚くと思います。オークション価格は中古市場の価格を構成する中心的な役割を果たしていますから、当然といえば当然ですね。
交渉事は情報を多く持っているほうが有利ですから、この時点で我々消費者は不利なわけです。
そのため、彼らに対抗するためには自分の車両の現在の価値を把握する必要があります。(後ほどその方法を説明します)
複数社を競合させるのは悪いことではない
時々「買取業者同士を競わせているようで、買い取れなかった業者に失礼なのではないか?」と感じる人がいます。
でも考えてみてください。
あなたが勤務している会社で何か物品を買う場合は、必ず相見積もり取るように言われませんか?
最低2社以上から相見積もりを取った上で、更に間接部門が業者に対して値下げ交渉するのは極々当たり前のことです。
電化製品を買う場合でも、量販店の店頭価格とAmazonや楽天での価格を比較しますし、複数社を競合させることは別にやましいことでも何でもありません。
買取業者もお客さんが複数業者に声をかけていることは折り込み済みです。
買取担当者はそんなにバイクに詳しいわけではない
それとこの点も事前に認識しておいたほうがいいポイントですが、出張査定に来る担当者は、別にバイクに詳しいわけでもなんでもありません。
よくネットで「(買取業者名)の担当者は査定中ずっと本部と電話して、買取額の提示も本部からの指示だった。バイクを知らない素人だった…。」なんて書き込みもありますが、よく考えてみてください。
国内メーカー4社に加えて海外メーカーの車種・年代・特別モデル・プレミアムの全てに精通している担当者なんてそうそういません。そんなレベルの人材を育成するのに必要なコストを考えれば、むしろ、
・お客さんと日常会話ができる
・タブレットを使って車両の画像撮影&送信ができる
これらができれば買い取りの担当者はバイクの素人でも構わないわけです。
つまり、本部が見積査定に必要な情報をお客さんから吸い上げられる程度のコミュニケーションスキルがあれば出張査定の業務はこなせます。買取業者の担当者の中には素人に毛が生えた程度の人も多い、というのはこういった分業制が確立しているからなんです。
「担当者がバイクに詳しくないからダメな業者だ」ということにはなりません。
売却交渉は担当者の向こう側いる「本部査定員」であることを肝に銘じましょう。
買取業者を呼ぶ前の事前準備
ここからは買取業者との査定に備えた事前準備について解説します。
自分のバイクの価値を事前に調べておく
まず、売却しようとしている自分のバイクが、市場でどの程度の価格で売られているのかをチェックしておきます。
僕が使ったのはgooバイクという中古車サイト。
ここは車種、年式、走行距離などが指定できるので、自分のバイクの車歴と同程度の中古車を簡単に探すことができます。
車種で検索すると「価格相場表」というボタンがあるので、それをクリックすると
このように何年式の車両がどのくらいの価格帯で売り出されているのか一目瞭然です。
goobikeは多くの中古車販売店が利用していますから、ここでの価格、弾数は現在の中古車市場の状況をほぼ反映していると考えて差し支えありません。
ここに出ている販売価格をざっくり分析すると、
になります。あくまでもざっくりですよ。
例えば、2005年式のZRX1200Rで走行28,000km、車検切れの車両が乗出し価格70万で販売されていたとします。
販売時には整備+車検を通しますので、整備と車検で約10万、お店の利益が10万円とすれば、約50万円で仕入れ(買取)てきたことになります。利益を20万とすれば約40万で買い取ったか、オークションで落札したのだろうと推測できます。
つまり中古車相場から、この車両の買取相場額は35万~45万程度、程度が良ければ50万程度であろう、と推測することができます。
もちろんこれらの推測は、排気量が小さければ小さいほど中古価格が低くなるので、整備費用やお店の利益設定幅は小さくなります。
特に車検不要な250cc以下は整備費用が5~10万程度かと思います。
交渉ラインを決める
中古相場がわかれば、ある程度の交渉ラインを事前に決めることができます。
例えば、上のZRXを例で言えば
・この金額だったら絶対売らない(乗り続けたほうがいいや):30万
辺りにラインを設定すると交渉しやすいですね。
もちろん、改造が多くて程度が悪い場合はもっと低いでしょうし、同じ改造でもいいパーツを付けて保存状態もいい車両であれば、これ以上の価格を交渉ラインとしてもいいでしょう。
その辺りの精度は中古車サイトで同程度の車両を数多く見て、情報を集めるしかありません。
バイクの売却・下取り交渉のコツ
上で説明した事前準備をした上で、買取業者と交渉するわけですが、交渉にはいくつかポイントがあります。
1社目では売らない
何社かの買取業者に声を掛けて査定してもらうわけですが、当然1社目の買取業者から買う気マンマンでやってきます。
そういった業者の勢いに負けないよう、次のような意思表示をしておきます。
・しかし想像しているより安ければこのまま乗り続けようと思っている
たとえ「いやいや、もうバイク乗らないから売りたいんだよ~」と思っていたも口に出してはダメ。売り急ぎたい客の値段が叩かれるのはバイクに限らず、宝石、バッグ、時計などのブランド品も同じです。
あくまでも「高く売れるのであれば売却したい、そうじゃなければ乗り続ける」というスタンスが重要です。
価格は自分から言わない
当然ですが、買取業者もビジネスです。ビジネスの基本は「安く仕入れて高く売る」。これには業種関係ありません。
そのため、買取業者はあなたが手強い客なのか、それともイージーな客なのかを見極めようとします。イージーな客だったら相場より安く仕入れられますからね。
それを探る意味で
・そちらではいくらぐらいと言われてますか?
と聞いてきます。
既に何社か査定見積りをもらっているのであれば「○○さんと△△さんに査定してもらっています」と社名を言うといいでしょう。ただし嘘言ってもバレますので、査定見積もりしたときにもらった名刺などを見せれば、相見積もりを取っていることの信憑性が高くなります。
ここが1社目の場合は「これから何社か査定してもらうつもりです」と相見積もりすることをハッキリと告げておきましょう。「相見積もりを取る」という意思を当然にように見せると、買取業者に「イージーな客じゃないな」と思わせることができます。
また「○○さんではおいくらでしたか?」とか「一番高い金額はいくらでしたか?」と聞かれても、自分から言う必要はありません。
なぜなら、買取業者にしてみれば「他社査定の一番高い金額=交渉のボトムライン」なので、それを少しでも超えれば買取に近づくからです。言ってみれば、他社の入札金額を知ることと同じですからね。
なのでそこは「まずは御社の評価を聞かせてください」と言って買取業者が考える買取金額を出しもらうようにします。
そこで他社よりも高い金額であれば売却に向けて交渉すればいいですし、他社よりも安ければそこで初めて「○○さんからは××万円って言われてます」とカードを切るわけです。
ここまでのやりとりが出来れば、巷で言われるような「相場よりとんでもなく安い金額で買われてしまった」ということはまずありません。
「ではいくらぐらいだと売却していただけますか?」と言われたら
大体どこの買取業者もオークションの落札データを持っていますから、買取業者によって買取金額にそれほどバラツキはでません。
しかし1社目の業者が買う気マンマンで「ではいくらぐらいだと売却していただけますか?」と聞かれる場合があります。
そんなときは、事前準備で調べておいた自分の車両と同程度の中古車販売価格から割り出した売却価格をぶつけてみます。
・この金額だったら絶対売らない(乗り続けたほうがいいや):30万
僕の2004年式のZRX1200Rの1社目の買取提示額は35万だったので、想像していた金額より低いものでした。
「50万だったら即売っても構わない」と告げたところ、さすがにその金額は無理、と言われました。
こちらとしても他社さんの評価も聞きたいので、50万で買ってくれても買取不成立でもどちらでも構いません。(50万だったら即決で売っていたと思う)
あまりガツガツ狙わない
こうした交渉を何社かと続けていくうちに、自分のバイクの中古市場での価格が見えてきます。
僕のZRXの場合は実勢の買取相場が38~40万程度であることが見えてきました。
そうなると、上限の40万から更に上げるには何かしらの要素が必要です。
・限定車である
・車検残が多い
ぐらいでしょうか。
特にオーリンズのサスペンションやマグネシウムホイールを装着している車両などは中古市場でも高めに取引されているので大きなアピールポイントになります。
そういったアピールポイントが無ければ「車検が残ってすぐに走れるZRX1200Rの2003~2006年式の車両が60万で欲しい!」という客でもいない限り、買取金額が大幅にアップすることはありません。残念ながら。
ZRXに関して言えばそんな客が出てくることは稀なので40万で売却するか、もしくは最近は買取業者も中古車販売するところが増えているので、同じ業者から乗り換える中古車を購入する前提で買取金額(下取り金額)を上げる交渉をするぐらいでしょう。
売却まとめ
・事前に同程度の車両の中古価格を調べて、想定する売却額を把握しておくこと
・「今売ってくれるなら○○万円で買い取ります、この金額は今日だけです」と言われても動じないこと
・乗り換え予定なら中古車購入と合わせて交渉すること
今回、4社の買取業者に査定見積りしてもらいましたが、どの業者さんもきちんとしていて不快な対応とかは一切ありませんでした。
ただ、どこの業者も担当者自身はバイク好きな感じはするものの、自身に価格決定権は無く、車両状態の画像を本部に送って本部とやり取りしながら買取金額の提示をしていたのは各社共通です。これは記事中でも書いたようにシステマチックに買取りするにはそうならざるを得ないので、それ自体がマイナスポイントには感じませんでした。
以前は交渉下手な素人を半ば騙すように買い取っていく業者も多かったようですが、2013年に改正された特定商取引法では、売却合意した後でも8日以内であれば契約解除できるクーリングオフが適用できるようになりました。
この記事に書いたように、事前に調べて交渉すれば不当に安い金額で買い叩かれることはまずありませんが、それでも1社目の業者のプッシュがすごくてつい売ってしまった、という場合でも8日以内であれば無条件にクーリングオフできます。
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