

記事によると、車間距離不保持で摘発された対象者が、現場では15メートルとされていた距離が、自宅に届いた書類では5メートルになっていたという。
それで対象者が県警に問い合わせたところ、取締りを担当していた第2交通機動隊第2中隊の第4小隊が距離を書き替えていたことが発覚した。
その後の内部調査で次々と不正が発覚
この第4小隊に配属されていた巡査部長が距離を書き替えていたことが発覚、その後の調査で速度超過や車間距離不保持などの不適切な取締りが次々と発覚したとのこと。
いやー、やってますね。
個人的にはどこの都道府県警でも多かれ少なかれ行われていると思っているので、特段驚きませんが、神奈川県警で発覚するあたりが面白い。
県警は巡査部長が関わった2700件の違反を全て取り消すことを決定
市民からの問合せを受けて、県警の内部監査室が動いたのだと思われるが、この巡査部長が2022から2024年までに関わった交通違反で、免許不携帯などの一部の違反を除き、残りの違反すべての取消しを決定したとのこと。
以前の警察はこういった身内の不祥事はもみ消す方向に動いていたのだが、調査の結果、不正な取締りを認めて取り消すと判断したことは評価したい。
神奈川県警の不正は氷山の一角だと思う
この神奈川県警の不正取締りは、今回はたまたま市民から問合せがあって、監査室も機能して、県警上層部も公表に踏み切ったので明るみになったが、全国的には多かれ少なかれ、こういった不正取締りはあるのだと思う。
その大きな要因が「交通安全対策特別交付金」である。
”交通安全対策特別交付金”とは
全国の都道府県警による交通違反取締りの反則金は年間約800億円程度あり、その反則金収益は”交通安全対策特別交付金”という形で全国の地方自治体に配布される。
このお金で、道路標識の設置や信号機の整備が行われるので、それ自体は必要な事業ではあるが、ご存じのとおり道路標識や信号機を作る会社は警察OBの天下り先である。
まあ、天下り自体は透明化が進んでいるし、標識や信号機設置は必要な事業なのではあるが、問題はそれが予算化されていることである。
予算化による弊害
どういうことかと言うと、取締りによる反則金収入が800億あるので、その800億円を当て込んで事業化されてしまうことである。
本来であれば、取締りの結果である反則金収入は、年度によってバラツキが出るのが普通だ。
交通安全の啓蒙活動が進めば、同じ取締りをしていても違反は減るはずだし、電動キックボードなどの新しい交通車両が出てくれば違反が増えるものである。
しかし、反則金収入は多少のバラツキがあれど、概ね800億円で推移している。
つまりこれは、交通安全対策特別交付金の予算が800億と計画され、警察庁から各都道府県警に配分され、それがノルマとなり現場の取締りに落とされる。
各都道府県警で予算通り実行できれば、晴れて「交通安全対策特別交付金:800億円」が達成となるが、予算通り実行できなければ、おそらく個人の人事査定評価に反映されるのだろう。
神奈川県警の不正取締りの構図は民間の粉飾決算のそれと同じ
ノルマを達成できなければ人事査定評価に影響する、出世に響くとなればトップダウンでノルマ達成が厳命されるのはどの世界でも同じだ。
きっとこの巡査部長もノルマを達成しなければ上司に叱責されるのが目に見えているので、不正を働いてノルマを達成していたのであろう。
民間企業でも時折、粉飾決算が話題になるが、構図は全く同じである。
東芝の2,200億円の粉飾決算や、最近ではニデックの877億円の不正会計があるが、どちらも経営陣による苛烈なノルマ達成重視の企業文化によるものである。
過大なノルマの押し付けには恐らくパワハラに近い叱責やプレッシャーが行われたのであろう。
現場でできることは、姑息な取締りや、でっち上げに近い不正取締りぐらいしかなく、良心の呵責に耐えられない者は退職するしかない。
Youtubeでも元警察官や元白バイ隊員の動画があるが、当初は正義感を持って入職したのに、正義とは反対の行動を強要されて嫌気が差して辞めたケースが多い。
今回は神奈川県警が調査結果と違反の取消しを公表しているが、当然、全国の都道府県警でも内部調査が必要であろう。
このような事例は神奈川県警だけで起きているはずがなく、全国の都道府県警で起きているはずである。
個人的には、総務省からの”交通安全対策特別交付金”予算を変えなければ、不正は無くならないと思う。
本来必要な「本当に安全に寄与する取締り」はしっかりやって欲しいのに、「数字を作るための取締り」が横行するから市民は警察不信を抱くのである。



コメント