ZRX1200Rからの乗り換えたSR400最終型。
元ビックバイク乗りの視点で基本設計が40年前のシングルスポーツをレビューした記事がこちら。
正直言って「こんなに遅いなんてちょっと失敗したかも」と感じる部分も少しありましたが、この1ヶ月、富士山周辺や奥多摩、房総半島などを走ってみると、なんだかスルメのように後から「旨味」がジワジワと広がってきて、今ではすっかりSRのフィーリングの虜(とりこ)になってしまいました。
なんでしょうね、この「アクの強い発酵食品も食べ慣れるとクセになる」みたいな感じは(笑
しかし1,000km程度走ってみると、どうしても気になるのがライディングポジション。
いろんな方が指摘されているようにノーマルのSRはやや前傾なんですね。
このポジションはワインディングロードでは程よい前傾を作れるのでいいのですが、街中や街道沿いをまったりと流すにはちょっと腰にきます。もう少しアップポジションにして腰を立てて乗りたくなります。
ということで今回はもう少しアップポジションになるようにハンドル交換に挑戦してみました。
EFFEX SR500レプリカハンドルキットを購入
いろいろと調べてみると「SR500レプリカハンドルキット」なるものが販売されているようで探してみると、ちょうどAmazonアウトレットに13,000円で出ていました。
通常は16,000円程度の商品が、「外装多少キズ有り」でアウトレットに。
商品本体(ハンドルバー)に傷ありだったらどうしよう…キズの状態がよくわかりませんが、あまりにもひどかったら返品するつもりでとりあえず発注。翌々日に到着しました。
単に外装箱のダンボールが破損していただけで、中身は全く問題無しです。チェックしてみるもんですね、Amazonアウトレット。
素人がハマるポイント
単にハンドルを交換するだけでなく、アクセルワイヤー(2本)、クラッチワイヤー、デコンプワイヤー、ブレーキホースを交換しなければならないので、結構面倒な作業です。
ハンドル交換の作業を紹介しているブログがありますが、細かい作業については省略されているので少し注意が必要です。
整備に長けている人であればなんてことない作業なんですが、それほど整備に明るくない人だと作業中につまづくことが多いと思います。
今回、しょーもないことでかなり苦戦したので、備忘録代わりにハマったポイントについて書き留めておきます。
1.タンクのガソリンはなるべく減らしておく
SR400のFIはタンクを外すのが一苦労と言われていますが、ゴムホースがやや固着しているのでホースを外すときに若干のコツがいります。
タンクの外し方自体は、いろんなサイトで紹介しているのでここでは詳しく説明しませんが、実はガソリンタンクを外した後、どこからかガソリンがドバドバ漏れてきます。
今回、作業開始時にほぼ満タンだったので、外したタンクを前に傾けるとブリザーホース側からドボドボと、かと言って後ろに傾けるとフューエルポンプ側のホースからドボドボとガソリンが漏れてきます。
結局今回はタンク前方のブリザーホースの穴をテープで塞いでおきました。
念のために後側のフューエルポンプ側ホースもテープで塞いでウェスでくるんで、なるべく水平に仮置きします。
2.燃料警告灯のカプラーの抜き方
タンクを外すときに燃料警告灯のセンサーのカプラーを外さなければなりませんが、あるサイトでは「マイナスドライバーを指しこんで軽く浮かせると抜ける」とのことでしたが、そのやり方では全然抜けませんでした。
カプラーの形を見ると爪がシーソーになっているので、正解は「カプラーの後側(半分より奥側)を押すと爪が外れる」でした。
構造が分かればなんてことないのですが、奥まっている上にカプラーが黒なので形状が見えないんですね。外すのに20分ぐらい悩みましたよ…。
3.左側グリップの外し方
左側グリップはハンドルにグリップ用のボンドで固定されています。
よくネットには「ドライバーを突っ込んで隙間にパーツクリーナーを吹いて、ボンドを溶かしながら抜く」とありますが、何も考えずにドライバーを突っ込むとハンドルがキズだらけになります。
ノーマルのハンドルは捨てるからいい、というのであれば構いませんが、もしそうでなければ、割る前の割り箸などを使うとメッキハンドルに傷をつけずにグリップを外すことができます。
コツは、グリップの1ヶ所だけを攻めるのではなく、45度ずつ4ヶ所を割り箸+パーツクリーナーを使うと剥離しやすいです。
割り箸を指す→パーツクリーナーを吹く→グリップを回してみる→45度位置を変えて割り箸を指す…を繰り返すイメージです。
思ったよりグリップがキツくて外すのに30分ほどかかりました。
4.クラッチワイヤー
クラッチワイヤーの交換自体は簡単です。工具不要で交換できるぐらい。
ただ、遊び調整に手間取りました。
というのも、ノーマルのクラッチワイヤーはレバー側でアウターの長さを調整して遊びを調整しますが、ハンドルキットに付いてくる社外品のクラッチワイヤーにはワイヤーの途中でアウター長を調節できるナットが付いています。
そのナットの存在に気づかずにレバー側で調整すると、目一杯調整しても「なんかクラッチがちゃんと切れない」という症状が出て悩みました。
結局、ワイヤーの途中にあるナットでアウター長を伸ばして、レバー側で微調整してクラッチを”遠め”で切れるように調節しました。
5.スロットルワイヤー
スロットルワイヤーの交換もほとんどのブログでは外す順番などは記載していません。きっと「そんなの知ってて当たり前」という前提なのでしょう。
今回ハマったのは、スロットルボディ側を先に組み付けた後にスロットル側を組み付けようとしたところ、ケーブルが伸びなくてタイコがハマらないのです。
引き側を入れれば戻り側が入らず、戻り側を先に入れれば引き側が入らないというパラドックス(笑
散々悩んだ末、スロットルワイヤーはスロットル側(ハンドル側)を先に組んでから、スロットルボディ側を組むのが正解だとわかりました。
ここで1時間使いました(笑
6.ブレーキホース
ブレーキホースはフィッティングが2種類入っていて、マスター側(ブレーキレバー側)とキャリパー側が別になっています。
アングル(角度)がついているフィッティングがキャリパー側になります。
今までのバイクではよくフルード交換やキャリパーオーバーホールとかやっていたので、これは割と簡単でした。
シングルディスクなのでエア抜きもラク。
ただ、ブレーキラインがゴム製からステンレス?製に変わったため、ブレーキラインサポートに固定すると、ややテンションがかかるのが不安です。
と、ここまでなんと5時間かかってます(泣
プロがやると約2時間の作業です。いかに素人整備は手際が悪いことか。
ハンドルフルロック時にスロットルワイヤーの動きが悪くなる
これで終わりかとおもいきや、さにあらず。
ハンドルをフルに切ったときにスロットルワイヤーの動きが渋くなるのです。真っ直ぐにしている分にはスロットルは軽快に動くのですが、ハンドルを切ると自然に戻らなくなる感じ。
スロットル側の遊び調整はMAXになっているし、組み付ける前に潤滑もしているのになんでかな?と。
一瞬「ハンドルフルロックしたままスロットル全開にすることは無いからまぁいいか」と小っちゃい悪魔がささやきますが、遊び調整がちゃんと出来ていないのは気持ちが悪いので、ギブアップして近所の整備屋さんに電話しました。
「持ってくれば見ますよ~」とのことなので早速持ち込み。
着いて症状を説明すると、スロットルを回しながらハンドルを切って症状を見ること10秒。
僕「スロットル側で調整しようと思ったんですけど、調整余力が無いんですよ」
整「そりゃそうだ、スロットルボディ側が結構一杯出てるからね」
僕「へ?」
そうなんです。今回取付けたスロットルワイヤーはスロットルボディ側のナットが締まったまま組み付けたので、スロットル側(ハンドル側)で調整する余力が無かったのです。
8mmのレンチを取り出してスロットルボディ側のナットをチョコチョコと調整したところ症状が消えました。
ついでにクラッチワイヤーの件も伝えると、真ん中のナットでアウター長を調整することを教えてもらい、こちらも解決。
「乗ってみて問題があれば調整するからいつでも来てよ~」
見た目はボロくて汚い(失礼)ショップなんですけど、メッチャいいショップです。
SR500レプリカハンドル交換のまとめ
購入当初はノーマルのまま永く乗り続けようと思っていましたが、前傾気味のライディンポジションが気に入らなかったので、今回はハンドルポストなどでごまかすのではなく、アップ目のハンドルに交換することにしました。
今回、SR500レプリカハンドルに変えてみたところ「こんなに楽な姿勢になるのならもっと早くやっておけばよかった」と後悔しきり。
アップハンドルを装着したSRは腰が立って非常に乗りやすくなりました。特に長距離は効果てきめんです。
ケーブル長が変わらないハンドル交換であれば難易度は全然低いですが、ケーブルが全取替になると結構面倒な作業です。
自分で組んだのに不具合の原因がわからずにプロに泣きつくのは正直恥ずかしかったですが、ただ恥を忍んで聞いただけあって、このことは一生忘れないと思います。まさに「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」でした。
もし自分でやれそうな気がしないのであれば、プロに頼んだほうが間違いありません。
依頼する場合の作業工賃はお店によって異なりますが、大体1万~2万円の間ぐらいだと思います。(部品代別)
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