純正バッテリーって結構高いですよね。
まあ国産でしっかりと品質管理されたものなのである意味仕方ない部分もありますが、消耗品であるバッテリーはできれば安く交換したいもの。
互換バッテリーは純正品と比べて値段が1/2~1/4程度ですが、あまりの安さに「本当に大丈夫なの?」と思ってしまう人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな格安バッテリーの選定方法について、僕の体験を交えて解説したいと思います。
自動車用バッテリー市場の動向
国内では産業用バッテリー、自動車用バッテリー共にGSユアサがシェアNo.1で、次いで古河電池、日立化成と続いていますが、GSユアサが国内シェア6割と圧倒的です。
しかも2016年にパナソニックの鉛蓄電池事業がGSユアサに事業譲渡されたため、国内ではGSユアサのシェアがより一層高まっています。
海外メーカーでは、アメリカのACデルコ、GSユアサの海外子会社である台湾ユアサが国内では知名度がありますね。
最近ではいわゆる「激安中華バッテリー」と言われる中国メーカー製も増えています。
国産、輸入バッテリーの価格比較
まずは価格について、以前僕が乗っていたカワサキZRX1200R用のバッテリーで比較してみます。このバッテリーは国産中型~大型バイクでは割と一般的なバッテリーです。
メーカ | 型式 | 実売価格(参考) | 保証 |
GSユアサ | YTX14-BS | 12,239 | 1年 or 2万km |
古河電池 | FTZ14-BS | 11,895 | 1年 or 2万km |
ACデルコ | DTX14-BS | 5,786 | 1年 or 2万km |
台湾ユアサ | YTX14-BS | 6,194 | 初期不良のみ |
AZバッテリー | ATX14-BS | 5,680 | 6ヶ月 or 1万km |
上記の実売価格はAmazonでの売価です。
ZRX1200Rはサービスマニュアルでみると純正バッテリーは古河電工製のFTZ14-BSとなっています。
カワサキのホームページで純正部品の価格を調べると、FTZ14-BSの価格はなんと31,320(!)です。
年式が新しくなるとFTX14-BSという10時間率容量が12Ahと少しスペックが落ちるタイプに変更されており、このバッテリーでも問題なく使えるのですが純正部品としての価格は29,000とそれほど変わりません。
ということでバイク屋さんで何も言わずにバッテリー交換するとこの高級な純正部品に交換されてしまうことになります。(高っ!)
それに比べると互換品のACデルコや台湾ユアサのバッテリーは、純正品価格に比べて約1/6、実売価格に対しては約1/2程度です。
台湾ユアサのバッテリーに初期保証しかつかない理由はわかりませんが、僕の想像では国内はGSユアサの正規品がカバーしていますので、海外子会社の安い互換品を投入すると正規品の価格が崩れるため、通販での対応しか出来ないのではないかと思います。(想像)
代替格安バッテリー
ZRXに乗っていたときによく使っていたのがACデルコのDTX14-BSで、価格は純正品の1/2程度。
当時はバイクに乗る頻度が月に1回程度でしたが、年1回程度の充電で全く問題なく稼働していました。
ACデルコはバッテリー専業メーカーではなく、いろんな車用パーツを製造・販売しているアメリカの会社で、バッテリーに関しては台湾の製造メーカーからOEM供給を受けているようです。(形状は台湾ユアサの同型式品と一緒なので多分OEM元メーカーのような気がします(未確認))
少なくとも純正バッテリーの実売価格の1/2程度で入手して2年以上は楽に持ちますし、1年or2万kmの保証が付いているので品質にはそれほど不安を感じていません。
台湾ユアサはGSユアサの海外子会社
ACデルコの前に使っていた台湾ユアサのバッテリーは、本来はGSユアサのバッテリーを買おうと思ったのが間違えて買っちゃったんですね。GSユアサも台湾ユアサも同じ”YTX14-BS”だったので。
とは言っても全く問題なく使用できたので安かった分お得でしたが、後から保証が付いていないことがわかって少し後悔しました。
ネットでは「GSユアサと台湾ユアサは関係ない全くの別会社だ」なんて書いてあるサイトもありますが、GSユアサのホームページを見ると、海外関連会社のところにちゃんと台湾ユアサの名前が入っています。
また台湾ユアサのホームページを見ると、About Companyのページに
「台湾ユアサは、アジアバッテリーと日本ユアサバッテリーの出資によって設立されました」とあります。アジアバッテリーとは台湾ユアサの前身で1964年に設立されたバッテリーメーカーです。
そもそもGSユアサと台湾ユアサが何の資本関係も無い別会社だったら、台湾ユアサは日本にガンガン輸出して保証付きで売っていたでしょう。
互換バッテリーの品質はどうなの?
個人的には格安バッテリーのハズレに当たったことがないのでなんとも言えませんが、台湾ユアサもACデルコも1年or2万kmの保証が付いているので、それはど品質面の不安は感じません。
台湾ユアサはISO9000/9001(品質管理)の認証を取得していますから、日本製に比べて極端に品質が悪いということもないと思います。
3000円台の中華バッテリーの品質は正直なんとも言えないのですが、実は中国ってバッテリーの生産量が世界一で、蓄電池製造のノウハウをかなり積み上げています。
GSユアサも中国に工場を持っていますし、世界のバッテリーメーカーが中国に工場を置いていることからも、一口に「中国製だから信頼性が無い」と言い切るのは乱暴です。
この激安中華バッテリーも保証が1年、距離無制限ということからもその自信が伺えます。
格安バッテリーの選び方
どうしても「国産の信頼性が欲しい」という人にはオススメできませんが、純正バッテリーよりも交換コストを抑えたいという人は、以下の点を参考に選ぶといいでしょう。
ユーザー数の多いものを選ぶ
Amazonや楽天などの通販サイトで、販売実績の多いものを選ぶようにします。
なんだかんだ言っても、レビュー数が多くて評価の高いものはハズレを引く可能性は低いです。
それにハズレを引いた人は頭に来て評価の低いレビューを書き込むことが多いですから、どんなハズレ品を引いたのか、低い評価も参考になります。
ただし、やたら高評価レビューの多いバッテリーにも要注意です。
単調な高評価レビューが多い、日本語が微妙におかしいといったレビューは、なんか怪しいですよね?サクラによるレビューっぽいというか。
ネット販売の5段階評価では「F」型が一番信頼がある、と言われています。
どういうことかと言うと、5つ星、3つ星が多く、その次に4つ星、2つ星の順で、★が「F」の形に近い商品は実態に近いレビューと言われています。
バッテリーに限らず、ネットショッピングではそういった商品レビューの見方をするとハズレ商品を掴む可能性を減らせるでしょう。
保証が付いているものを選ぶ
国内メーカー製であれば、大体1年または走行距離2万km、とちらか早く到達するまで保証されるのが一般的です。
最近ではACデルコも1年or2万kmの保証が付いていますし、驚くのは激安中華バッテリーでも1年or距離無制限の保証が付いています。
保証が付いているのに、いろいろと理由をつけて真摯に対応してくれないショップはレビューが荒れているので、そういうところからも買っても大丈夫かどうか判断できます。
格安バッテリーのまとめ
・安くても信頼できる会社、品質管理ができている会社であればそうそうハズレに当たらない
・レビューを見て評価の高いものであればハズレは少ない
そもそも、バッテリーは国内メーカー品でも当たり外れがわりとある製品なので、それを考えれば保証付きの格安バッテリーで1年持てばOK、という考え方も、バイクの維持コストを下げる意味ではアリだと思います。
格安バッテリーでも、定期的な電圧チェック、充電などメンテナンスを欠かさなければ意外と長持ちするなぁ、というのが僕の実感です。
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