「雪道はスリップしやすい」というのは運転したことが無い人でもなんとなく理解できると思います。
では雪道の発進では、MT車とAT車ではどちらが滑りにくいと思いますか?
答えはAT車のほうが滑りにくいんです。
雪道はトルクの掛け方が難しい
今はMT車が少なくなってきたので雪道でMT車を運転する機会はほとんどありませんが、初めてMT車で雪道を走ると発進し辛いことに驚くと思います。
アスファルトでは気にならなかった発進が、雪の上ではMT車はズルズル滑って発進に手間取ることが少なくありません。
これは、ロー(1速)ギアのトルクが大きく、クラッチをラフに繋ぐとトルクにタイヤの摩擦力が負けてスリップしてしまうからなんです。
一方AT車は、発進時にアクセルをじわ~っと踏めば、動力の伝達はトルクコンバーターが適切なトルクを自動でかけてくれるのでスリップしづらいです。
MT車でもクラッチをソフトに繋げばいいのですが、半クラッチの感覚は車ごとに違うので慣れるまでに時間がかかります。
そのため雪道ではあえて2速発進することで、クラッチ操作による急激な動力伝達を緩和してスリップを回避するテクニックもあります。(当時は地元の教習所で2速発進を教えてくれましたけど、今はどうなんでしょうね?)
僕が免許を取得したときはまだMT車が主流で冬になるといつもズルズル滑りながら発進していたのですが、ある日友人のAT車(グロリア430)をシャーベット状の雪道で運転すると、MT車と違ってスムーズに発進できるので感動した覚えがあります。
もちろんAT車でもアクセルをラフに開けると滑るのですが、繊細なクラッチワークをしなくてもアクセルを丁寧に開けるだけで雪道でもスルスルと走れるんです。
2速発進はクラッチの消耗が激しすぎるからしないほうがいい?
よくYahoo!知恵袋なんかには「教習所で2速発進して怒られた」とか「2速発進なんてクラッチを摩耗させるだけなので絶対にしないほうがいい」なんて回答がありますが、上でも書いたように滑りやすい道路での2速発進はスタック防止には非常に有効です。
確かに半クラッチの時間が1速発進よりも長い傾向にありますが、それでも冬期間ずーっと2速発進するわけではありません。1速でいつものようにクラッチを繋ぐとタイヤが滑ってしまう場合にのみ2速発進するようにしていれば、クラッチの寿命を著しく短くするものではありません。
実際に自宅で父が仕事で使っていた軽トラや乗用車などは冬期間はバンバン2速発進を使っていましたが、クラッチ交換せずに10万km以上走っていました。
むしろいつも回転数高めで半クラッチ長めに1速発進している人のほうがクラッチの消耗が激しいでしょう。
実際、クラッチの摩耗は運転者のクセのほうが大きいと思います。
まとめ
旅行者が冬季にMT車をレンタルすることはまず無いと思いますが、転勤で雪国に行ったときに2tトラックをレンタルしたり、ホームセンターで運搬用軽トラックを借りるときなどはMT車であることが少なくありません。
特に軽トラックなどは、荷物を積んでいるときは後輪に荷重がかかるのでタイヤのグリップがいいのですが、荷物を下ろして空荷になると途端に後輪が滑りまくります。
そんなときは、上に書いたようにそーっと2速発進すると比較的スリップしにくいので覚えておくといいですよ。(冬季は後輪の空転防止用として荷台にコンクリートブロックが乗せてあることが多いです)
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