以前、バイクの防寒(ウインタージャケット)について書きましたが、その中で少し紹介したユニクロのシームレスダウンを入手したので、今回改めてレポートしたいと思います。
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シームレスダウンジャケットのいいところ
襟立ちがカッコイイ
すみません、僕の撮影が下手で色がネイビーに見えますが、購入したのは黒のジャケットです。
このジャケットで一番目を引くのが、フロントジッパーを全部上げたときの襟というかフードの立ち方が絶妙にカッコイイのです。このCMを見た人も多いのではないでしょうか。
このモデルさんはYoung Jun Kooという韓国出身の写真家なのですが、スタイルの良さもあってキレイに着こなしています。
実際に着用してみると、フロントジッパーを全部閉めると首周りがすっぽりフードで囲まれるのでマフラーがいりません。本当に暖かい。
フードをよく見ると少しラウンドしています。
なぜラウンドしているのかと言うと、ジッパーを全部閉じたときにフードがキレイに立つように立体的に裁断されているんです。
それに左右がえぐれていないフードって被ったときに視界が狭まるんですね。
そうなると左右を確認するのにクビを振らなければならないんですけど、このフードは左右がえぐれているので視界が取りやすいです。
フードかぶらなくても襟立ちがキレイだし、被ると左右の視界が取れて便利。素晴らしい。
バイクで使うときはより、確実に首周りを保温するために薄手のネックウォーマーを使うといいです。
これは外気温5℃のときに1時間程度バイクで走ったときのもので、下はヒートテック(長袖)とネルシャツ1枚なのに全く寒くありません。しかもネックウォーマー無しです。
外観が安っぽくない
ダウンジャケットの表面がテカっている素材だと安っぽく見えてしまいますが、このシームレスダウンは撥水加工しているため表面がマットな感じに仕上がっています。
表面の生地がテカテカで、フード周りにファーが付いているダウンジャケットは、なんだかイケてない理系大学生っぽくなってしまいますが、このシームレスダウンだとそうなりません。
袖口のジャージ加工
袖口の内側がジャージ加工というかヒートテック素材で絞ってあるので、袖口から風が入りません。
これであればバイクに乗るときに、グローブが袖の中に入ったとしても外気をブロックするので腕が冷えません。これは嬉しい。
袖の甲側が少し長い
袖の甲が手首側より若干長く作ってあるんです。
わかりますでしょうか。上が少し長いですよね。
反対側も同じような形状になっています。
バイクに乗る時は腕を前方に出すので、一般的なバイク用ジャケットはに袖を長めに作ってあるのですが、バイクを降りると袖が余っちゃうんですね。ライディングジャケットと割り切ればいいのですが、街着として考えるとあまり袖が長いのも考えものです。
しかしこのシームレスダウンのように、袖の長さ自体を伸ばさず甲側だけを少し長めにとってあれば普段着、バイク両方のいいとこ取りです。
細かいけど気に入ったポイントの一つです。
止水ジッパー
一万円強の製品なのに止水ジッパーとは随分贅沢な作りです。
アウトドアブランドだと止水ジッパーは2万円以上の製品でないと採用されません。
YKKのジッパーとは言え、これだけで高級感が出ます。
ポケットの内側がヒートテック
ポケットの内側がヒートテックになっており、ハンドウォーマーポケットになっています。
バイクに乗るときは使いませんが、街着として使うときは超便利です。
内ポケット付き
左右両側に内ポケットが付いていますが、左側のポケットにはスマホを入れてイヤホンを通せるようになっています。
このポケット、割りと大きめなので5.5~6インチクラスでも余裕で入ります。
ドローコード付き
このジャケットにはフードと裾にドローコードが付いています。
ライディングポジションが前傾姿勢の車種だと、背中側の裾が浮いてしまう場合がありますが、そういうときは裾のドローコードを引くと腰回りからの寒気をシャットアウトできます。
こうしてみると本当にバイク通勤ユーザーもターゲットに入れて商品開発したとしか思えないです。
ダウンの比率が高い
一般的にダウンジャケットは「ダウン」と「フェザー」を混合して保温層を作ります。
ダウンは水鳥の胸の部分にある白いフワフワの羽毛で、フェザーは羽の芯がある羽毛です。
ダウンだけだと潰れて保温層(空気の層)が作れないので、芯のあるフェザーを混ぜてボリュームを出すのですが、安いダウンジャケットはダウンとフェザーの割合が7:3とか8:2ぐらいが普通。
他のファストファッションブランドから出ているダウンジャケットの配合率を見ると、良くてもダウン80%、フェザー20%です。
しかしこのシームレスダウンジャケットはダウンとフェザーの割合が9:1。これって1万円台のダウンジャケットではあり得ない割合です。
大量に作って大量に売りさばけないとこんな値段じゃ無理ですね。いや、数量だけじゃないと思いますが。
セールになると1万円を切る
このジャケット定価が12,800円なのですが、歳末祭で9,900円に値下げされています。
フードの立ちがよくて撥水加工で高級品並のダウン(羽毛)配合率のものが1万円しないんですからね。
ユニクロのオンラインサイトではサイズ欠けしているものもチラホラ出てきています。例年、年明けのセールで売り切れになるので、欲しい方はお早めにどうぞ。
オンラインショップは店頭在庫よりも早めに売り切れるみたいですが、店舗在庫もネットで調べられるので近隣店舗の在庫を見てから出かけるのもいいと思います。
デメリット
…とここまでベタ褒めしたシームレスダウンですが、いくつか欠点もあります。
製品寿命が3年
タグにも書いてあるのですが、樹脂加工製品なので3年ぐらい経つと剥がれてきたりするそうです。
僕も以前、THE NORTH FACEのコンパクトジャケットをアウターシェル代わりに使っていたんですが、それに使われている透湿防水素材(Hyvent)が経年劣化でボロボロに剥がれてくるんですね。ウレタン系の樹脂素材は主に湿気によって加水分解してしまう性質があります。
このシームレスダウンには防水透湿素材は使われていませんが、表面の樹脂加工(撥水)やシームレスを実現するための圧着テープが経年劣化するのだと思います。
3年目に急に壊れることは無いと思いますが、どういう劣化の仕方をするかは、使ってみて別途レポートしたいと思います。
顔の皮脂がジャケットに付着してしまう
襟のシルエットが素晴らしくて、ついジッパーを全部上げてしまうのですが、そうすると口と頬が覆われて暖かい反面、顔の皮脂や呼吸時の水分がジャケットに付着してしまうので、使用が進むうちに襟周り(特に口が当たる部分)が汚れてくると思います。
この素材に皮脂汚れが付着すると、垢光りしそうで怖いですね。
フードの内側というか口と頬が当たるところはヒートテック地にしてあると汚れが目立たなくていいんですけどね。来年の改良に期待したいところです。
でもこれはこの商品の欠点というよりは襟で首周りを保温するデザインの冬物全般に起こりうる話ですね。
ヒット商品の宿命、ユニ被り
当然ですが、街中で同じジャケットを着ている人は何人も見かけます。いわゆるユニ被り。
でも最近は女性もユニクロのダウンジャケット着ている人を多く見かけますし、しかもオシャレに着こなしている人が多いです。
wear.jpを見ると、コーディネートにユニクロをオシャレに取り入れている人が多くてすごく参考になります。
個人的には「ユニ被り」を恥ずかしいと思うより「ユニクロはこうやって着るとオシャレ」って見せつけるほうがカッコイイですね。
まとめ
ユニクロのシームレスダウンって見る人が見ればわかりますが、某高級ダウンジャケットを徹底的に解析したであろうことがよくわかります。
もちろん機能的に比較すればカナダグースや水沢ダウンのほうが断然上ですが、価格も10万円を超えるものも少なくありません。いいけど高い。
しかしユニクロのシームレスダウンは、アパレル関係者の間でもこのレベルのモノを1万円台前半で出せるのはあり得ない、という声が聞こえてくるほどよく出来ています。
はっきり言って中途半端にダサいバイク用ジャケットにお金を払うならこのシームレスダウンを買ったほうが全然いいです。
転倒時の保護機能が不安なら、ワンサイズ上げてプロテクタつければいいですしね。
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