※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

絶対捕まらない最強のナンバープレート「外交官ナンバー」とは?

この記事は約5分で読めます。

東京や大阪などの大都市で見かける、青字に「外-○○○○」のようなナンバープレート。

これは「外交官ナンバー」と呼ばれるもので、どんな違反を犯しても検挙も逮捕もされない、最強のナンバープレートと呼ばれています。

今回は、外交官ナンバーがなぜ「最強のナンバープレート」と呼ばれるのか、その理由について解説いたします。

外交官特権とは

外交官は「外交関係に関するウィーン条約」によって、身体の不可侵(逮捕・拘束されない)、裁判権の免除(司法によって訴追されない)ことが保障されています。

この外交官特権、有名なところでは、派遣国に入国するときでも所持品を通関せずに持ち込めたり、駐在国で犯罪を犯しても逮捕も訴追もされません

時々、外交官がスパイ容疑をかけられながら悠々と帰国するニュースを見かけますが、あれは外交官特権のために警察や公安が手を出せないんですね。苦々しいですが。

外交官は交通違反しても処罰されない

前述したように、外交官はウィーン条約によって身分が身体の不可侵、裁判権の免除が保障されているので、スピード違反だろうが信号無視だろうが飲酒運転だろうが、どんな違反をしても処罰されることはありません

実際には警察官に止められたときにいろいろ注意・指導されると思いますが、口頭注意で終わるのが実情です。

だって国内法で裁けない人たちですからね、外交官は。

外交官ナンバーでも駐車違反を切られる?

とは言っても最近は外交官ナンバーの車でも駐車禁止の取締が行われているとの情報が。

外交官ナンバーだって容赦しないぜ――アキバの駐禁事情
9月21日より恒例の「秋の全国交通安全運動」が始まった。秋葉原では再開発の影響から駐車監視員をよく見かけるようになったが、そこでは信じられない光景が――。

この記事によれば、秋葉原周辺に駐車していた外交官ナンバーの三輪スクーターに駐禁ステッカーが貼られていたとのことですが、恐らくこの車両の持ち主は反則金を納めなくても罪に問われることはありません

一般市民のように、車両所有者のところに反則金納付の督促状が行くのかどうかはわかりませんが、外交官とその家族はウィーン条約によって保護されているので、反則金を納付しなくても刑事事件に発展することが無いのです。(起訴できない)

2006年に道路交通法が改正されて、民間委託された駐車監視員が流れ作業的に駐車違反を摘発できるようになり、それに合わせて、反則金を払えば刑事訴追されずに終了、払わなければその車両は次回車検を受けられないという法律に変わりました。(反則金は誰が払ってもOK)

しかし外交官ナンバーの車は車検を受ける必要がありません

一般のナンバーは国交省管轄の都道府県陸運局が交付しますが、外交官ナンバーは外務省が発行します。

そのためナンバーには「外」と記された封印がなされ、車検制度の外側で運用されているのです。

一般市民は駐車違反の反則金を支払わないと、次回車検を受けられないので反則金を支払う他ありませんが、外交官ナンバーの車両はそもそも車検制度が適用されないので、反則金を支払わなくても何も困らないのです。

事故で被害者が死亡しても処罰されない

これも凄い話なんですが、外交官ナンバーが死亡事故を起こしても、逮捕もされなければ処罰されることもありません

これも前述したようにウィーン条約で外交官の身分が保護されているため、駐在国の法律によって裁かれないという外交官特権によるものです。

しかし、事故が起きた状況があまりにも外交官ナンバーの車両に非がある場合は、外務省はその外交官をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定して国外退去処分にすることができます。というかそのぐらいしか出来ないんですね。

ただ、日本は外交官ナンバーを発行するときは任意保険への加入を義務付けていますので、被害者への補償が全くなされないということは無いと思います。

死亡事故が起きれば当然メディアで報道されますし、被害者や遺族にきちんと補償しないと国民感情を逆撫でしてその国の評判を落とすことになりますから、補償も何もされずに本国に逃げられた、ということは少ないでしょう。

外交官はガソリン税を払わなくて良い

外交官ナンバーや領事館ナンバー(「外」や「領」で始まるナンバー)は租税特別措置法第90条の3第1項第1号(移出に係る揮発油の外国公館等用免税)によって揮発油税が免除されています。(いわゆるガソリン税)

赤坂近辺には「DUTY & TAX FREE」とか「免税ガソリン取扱」と書かれたガソリンスタンドがありますが、これらのガソリンスタンドは税務署から許認可を受けた指定給油所で、所定の手続きを行うと免税で給油できるのです。

ガソリン税は1リットルあたり53.8円課税されていますから、市民の半額近い価格で給油できるんです。

最強のナンバー「外交官ナンバー」のまとめ

・外交官ナンバーはどんな違反をしても捕まらない
・そもそも外交官自身がウィーン条約で守られている
・たまに駐禁ステッカー貼られているが、無視しても問題無い(外交官ナンバーは)

「外交官の不逮捕特権はやりたい放題じゃねーか!」という気持ちはわからなくもありませんが、一方では日本人外交官も駐在国では同様の待遇を受けていますから、相互に恩恵を受けているという面があります。

外交官特権に胡座をかいてやりたい放題やってしまうとその国のイメージを落とすことになりますし、そもそも二国間の外交通商を円滑にするために派遣されているのに品の無いことばかりやっていては、なんのために派遣されているの?って話になっちゃいますよね。

中には外交官特権を濫用して、秋葉原の電気街に平気で路上駐車する外交官もいるみたいですが…。

コメント

  1. 齋田秀一 より:

    いいね!

    • mickmick より:

      齋田秀一 さん

      コメントありがとうございます!
      今後とも当ブログをよろしくお願いします。

  2. あい より:

    面白いですね。
    でも実際の所外ナンバーは検挙対象になる場合もあるようです。
    外ナンバーには2つあって「〇の中に外の字」と「外の字」から始まる2通りがあり、その後の数字の頭3桁が国番号、下2桁が登録車両順のナンバーになります。
    〇外で下2桁が01の車は、外交官トップやその国の国家元首が乗っている可能性が高いので外交上、捕まえられません。
    外のみで下2桁が大きな数字の場合は普通に速度違反や一時停止違反、駐車違反のようないわゆる軽微な違反でも検挙する。そう言う話を都心部の警察のお偉いさんから聞きました。
    けっこう面白かったですよ♪

    • mickmick より:

      あい さん

      コメントありがとうございます。
      外交官でなくても領事、書記官およびその家族はウィーン条約第37条で外交官同等の特権が享有されているので、警察が反則切符を切ったとしても反則金を支払わずに終わると思います。
      ただ、領事は職務遂行中でない時に犯した罪については現地司法当局によって追訴される場合があります。そこが外交官と違うところですかね。でも、領事の職務や勤務時間の扱いは派遣国によってまちまちですから、プライベートかどうか警察が立証するのは大変な気がします。
      今後も当ブログをよろしくお願いします。

タイトルとURLをコピーしました