友達が新しいバイクや車を買ったとき、仲の良い友達だったら「ちょっと試乗させてよ」ってお願いすることありますよね?
逆に友達から車やバイクを褒められたりしたら「ちょっと乗ってみる?」なんて軽く言っちゃったりしてませんか?
今回は、気軽に車やバイクを貸し借りするのって結構リスク高いこと認識してますか?って話です。
友達にバイク貸すのがなぜヤバイの?
仲のいい友達から「ちょっと試乗させてよ」なんて言われて気軽に「その辺を一周するぐらいなら」って貸したりするのをよく聞きますが、みんな保険のことまで考えて貸していないのがヤバいんです。
保険が「家族限定」「26歳以上補償」になっている場合
契約しているバイク保険の補償範囲が「家族限定」だと、同居している家族以外の人が運転したときに起きた事故は補償されません。
例えば、従兄弟が遊びに来たときに「バイク、ちょっと運転させてよ」と言われ貸した場合は「家族限定」だと補償されないんです。ヤバイですよね。
また保険料を安くするために年齢条件(26歳以上補償)を付加している場合、友人が25歳以下だと補償されません。
例えばあなたが26歳でバイク保険の年齢条件を「26歳以上補償」としていたとします。そのほうが全年齢保障より保険料が安くなりますから当然ですよね。
でも、バイクを貸す相手が高校時代の同級生だとしたら、その友人の誕生日によってはまだ26歳になっていないかもしれません。
実際、「同い年だから」と思ってバイクを貸したところ、その友人が車と接触事故を起こしてしまい、保険を使おうしたが友人はまだ26歳の誕生日前で保険がおりなかった、という事例も現に発生しています。ヤバいですよね。
友人は免許は持っているけどバイクを持っていない場合
「ちょっと運転させてよ」という友人がバイクを持っていないとすると、この友人はほぼ100%バイク保険に加入していないでしょう。
この友人が運転しているときの起きた事故は誰が保障するのでしょうか?
友人がバイクを持っていれば当然バイク保険に加入しているでしょうし、その保険に他車運転特約が付いていれば他車との事故については友人の保険で補償されるので貸しても大丈夫なのですが、バイクを持っていないとすれば当然バイク保険にも加入していないので、貸している最中に事故が起きると、あなたの保険で処理することになります。
友人が「大丈夫だって。万が一事故ったら俺が全部責任取るから。大丈夫、大丈夫」なんて言われてもダメですよ。
物損事故だったら友人が頑張ればなんとか自腹で払えるかもしれないですが、人身事故になれば人生狂いますよ。
仮に友人がバイク保険に加入しても、事故が起きると友人関係がこじれる
仮に友人がバイク保険に加入していて他車運転特約で事故がカバーされるとしても、それはあくまでも事故相手に対する補償だけなんです。
つまり友人があなたのバイクに乗って万が一事故が起きたときは、事故相手に対する補償は友人の保険で補償されますが、あなたのバイクの損害については何も補償されません。
そうなると、友人が自腹であなたのバイクの修理費用を負担することになりますよね。
そうなると仮に全て弁済しても、その後の友人関係が微妙な空気になることは間違いありません。
なんでこんなことを言うのかというと、何を隠そう、僕自身が過去にやらかしたことがあるからなんです。
友人の新車を借りてコケる
もう20年以上も前の話なのですが、友人がようやく中型免許を取って新車のVT250に乗ってきたんですね。
まだトリップメーターが50kmぐらいの本当の新車です。嬉しくて見せにきたわけです。
当時僕は既にGPZ900Rに乗っていて、彼が免許を取るときにアドバイスしてあげたりとか購入の相談に乗ってあげたりしていたので、その流れで見せにきたのですが僕の悪い虫が出てきて、つい「VT乗りやすそうだね。ちょっと乗せてよ(貸してよ)」と言っちゃったんです。
友人も僕がバイク歴長いことを知ってるし、しかも大型バイクに乗ってるから大丈夫だろうと思って二つ返事で貸してくれました。僕を信用して貸してくれたわけです。
近所を一周、軽く試乗するつもりでフラ~っと出かけたところ、大通りに出る細い路地に配送用の4トントラックが入ってきたんですね。道路幅3mぐらいしかない路地にトラックが入ってきたもんだから、左脇ギリギリに避けたのが予想以上にトラックの車幅が大きくて、バイクのバランスを崩して左側に倒れそうになったんです。
VT250なので、左足を着けばなんのことはなかったんですが、左足の先には蓋のない側溝で足が届かず、見事に新車を倒してしまったんです。しかもバイクが地面に倒れただけでなく、逆さまになって側溝にハマったんです。V型エンジンの底をあんなにじっくりと見たのは、後にも先にもあのときだけです(笑
車と接触していないので完全に自損事故です。
もう友人には平謝りで、自分の保険で対応しようと思ったら他車運転中の事故は怪我や死亡には対応するけど車両の保障はされないことがわかり、自腹で修理代を捻出することに。当時の夏の賞与が全部修理代で飛んでいきました。
友人は「元通り修理してくれるなら大丈夫だよ」って言ってくれましたが、内心は結構微妙だったと思います。せっかくこれからバイクでいろんなところに行こう!って思っていたところにケチ付けられたようなものですからね。
信頼していた経験豊富な友人に新車をひっくり返されて、しかも修理している間は乗れなかったのですからなんとも言えない気持ちだったと思います。
今は疎遠になってしまいましたが、思えばあの一件から微妙な空気になって、どちらからというわけじゃなく徐々にフェードアウトしていきました。本当に申し訳ないことをしたなと、今でも時折思い出すと後悔します。
友人に気軽にバイクを貸すのは超危険のまとめ
・基本、貸した友人が事故を起こしたら、車両の修理費は友人の自腹になる
・修理費が数十万になると、仮に弁済してくれたとしても友人関係がギクシャクする
・勇気をもって断ることも大切
本当に親しい友人に「ちょっと試乗させてよ」と言われると、正直断りづらいですよね。
それでも、公道は何が起こるか本当にわかりません。
田舎の道で他車とすれ違うことが滅多にないという地域ならまだしも、ひっきりなしに車の往来がある都市部では保険がカバーされることを確認せずに貸し出すのは自殺行為です。必ず保険の補償範囲をクリアにした上で貸すようにしましょう。
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