「雨の日は道路が滑りやすいので気をつけて運転しましょう」とは言うものの、ゆっくり走っている分には晴れた道路とあまり変わりませんよね。
濡れた道路は一様に滑りやすいんじゃなくて、滑りやすいポイントがあるんです。
今回は道路のスリップしやすいポイントについて解説します。
道路に潜むスリップしやすいポイントとは?
特に雨の日に滑りやすいポイントについて挙げてみました。
【その1】白線の上
道路上に引かれている白線は、アスファルトに比べて摩擦係数が少ないため滑りやすいです。
とは言っても街中では、停止線を踏んで停車~急発進するときに滑るぐらいなのでそれほどでもありませんが、バイクにとってはスリップは転倒に繋がるので要注意です。
特に
・路側帯に乗らない
・交差点通過時の横断歩道は慎重に通過する
といった注意が必要です。
最近の塗料は表面に凹凸が付いて比較的滑りにくくなってはいるものの、通行量が多い道路では表面がすり減って滑りやすくなっているのでより慎重な運転が要求されます。
【その2】マンホールの蓋
マンホールの蓋(ふた)はバイクの天敵です。
マンホールの蓋は鉄で出来ており、表面が水に濡れると途端に滑りやすくなります。
下の動画は、交差点に差し掛かってブレーキング中にマンホールを通過したときの映像です。(【閲覧注意】転倒シーンが出ます)
車の場合は、両輪がマンホールに乗らない限り滑らないのでそれほど心配いりませんが、それでも遠心力で荷重が乗っている外側のタイヤが濡れたマンホールに乗ると一瞬ズルっと滑ります。
新設されるマンホールの蓋は表面が滑り止め加工されたものもありますが、まだまだ古いマンホールは鉄錆色の滑りやすいものが多いので、雨天にバイクで通過する際は
・やむを得ず通過する場合は、車体を真っ直ぐにしたまま通過する
・マンホールの上ではブレーキを掛けない(動画のケースです)
特に、カーブの途中にあるマンホールは絶対に踏まないようにしましょう。
コーナリングしているときに濡れたマンホールの上に乗ると、タイヤが滑って肝を冷やします。
肝を冷やしてすめばいいのですが、下手すると滑ったタイヤがアスファルトでグリップを取り戻して転倒する可能性があります。
下の動画は公道でハイサイドを食らった映像です。(【閲覧注意】転倒シーンが出ます)
なんの変哲もない交差点ですが、恐らくアクセルをラフに開けすぎて後輪がスリップしたところに急激にグリップが回復して反対側に転倒してしまった、いわゆる「ハイサイド」による転倒です。
マンホールはバイクのことなんか全く考えずに設置されていますから、コーナリングラインのど真ん中にマンホールがあることも少なくありません。
僕は晴れているときでも、カーブの途中にあるマンホールを踏まないライン取りをすることを心がけています。
晴れているときにマンホールを避ける意識を持つようにしていれば、雨の日でもマンホールを踏む危険性を格段に減らすことができます。
【その3】工事用の鉄板
よく道路工事の現場で、鉄板を敷いて交通を通しているところがあります。こんな感じの鉄板、見たことありますよね。
こういった鉄板も雨で濡れるととっても滑るので要注意です。
むしろマンホールのように凹凸が無い分、本当によく滑ります。
こういった工事中の鉄板の上を通過するときは、ラフなアクセル操作、急ブレーキ、進路変更は厳禁です。ソロソロと通過しましょう。
【その4】橋の継ぎ目
橋の継ぎ目の金属部分が雨で濡れると非常に滑りやすくなります。
川の上に掛かっている真っ直ぐな橋であればまだいいのですが、
・高架になっている道路、高速道路
・橋脚で山間部を通した道路
などはカーブの途中に継ぎ目があることが少なくありません。
山間のカーブ半径が大きい道路(R100以上)で濡れた金属製の継ぎ目(そういうところに限って継ぎ目の幅が大きい)を通過するときは、だら~っとカーブを曲がるのではなく、継ぎ目を通過するときだけ車体を真っ直ぐに立てて通過するのもスリップ防止には有効です。
当然、晴天時より速度を落として通過するのは言うまでもありません。
【その5】グレーチング
グレーチングとは、排水溝の蓋がコンクリートではなく、鉄製のメッシュ状になった蓋のことです。こんな感じの蓋、よく見ますよね。
この上もすごく滑ります。
グレーチングはよく道路と敷地の境界(側溝)に設置されていることが多く、バイクの場合はこのグレーチングの上を左折もしくは右折しながら出て行くことになるので、雨天時にグレーチングの上を通過するときは細心の注意が必要です。
バイクをあまり倒さず、ゆっくり通過しましょう。
【その6】落ち葉
山間の、特に紅葉で有名な道路は秋になると必ず落ち葉で道路が覆われるので要注意です。
特に雨が降ると、落ち葉が道路に張り付いてその場にとどまってしまうので、スリップを回避するにはゆっくり走る以外にありません。
これはバイクだけじゃなくて車も要注意ですね。
【その7】道路上の砂利、ゴミ
交差点の中央付近は道路に落ちたゴミやダンプカーが落とした砂利などが集まりやすいです。
上の画像の中央にある右折用矢印に囲まれた斜線の部分(お巡りさんが交通整理するときに立つ位置)に砂利が集まりやすく、その上が非常に滑りやすいです。
よくあるのが、右折待ちの車両がいない交差点で右折用信号がちょうど出たときにバイクで砂利を踏んで転倒するパターン。
これは天候に関係なく、右折時にバイクでバンクしているときに砂利を踏むとズルっと滑っちゃうんですね。
対策は、スピードを十分落として、尚且つ車がよく通る部分を通過することです。
右折待ちがいなくて右折用信号が出ているとついつい気持ちよく曲がって通過しようとしてしまいがちですよね。(バイクに乗る人だったらわかってもらえるのでは?)
でもそういうところにこそ落とし穴があるんですね。要注意です。
まとめ
・濡れた鉄の上はもっと滑る
・濡れてなくても砂利の上は滑る
・濡れても濡れなくても落ち葉の上は滑る
昔はバイクで通勤していたので、雨天時に怖い思いをしたことが何度もあります。
そのときの経験から、上に挙げたようなポイントは雨道の中でも特に注意すべきポイントであることを身を持って知りました。
現在は、基本的に雨天時はバイクに乗りませんがツーリング先で雨に遭ってしまうことが稀にあります。
そういうときでも今回紹介したような滑りやすいポイントを念頭に置いて運転すると、不意なスリップ転倒を回避することができます。
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