どうも最近「車の維持費が高いなぁ」と思いながらも、なんとなく維持し続けている人、結構多いのではないでしょうか。
普通車で維持費を負担に感じているのなら、思い切って軽自動車に乗換えて見るのも一つの手です。
でも軽自動車はパワー無いし、高速道路で逆に怖い思いするのでは…と思う人もいるかもしれませんが、最近の軽自動車は昔と比べてかなり進化しています。
今回は普通車と軽自動車の維持費の違いと、ここ30年で軽自動車が進化したポイントについて解説します。
維持費の比較
まずは普通車と軽自動車の維持費を比較してみましょう。
軽自動車 | 普通車(~1.5tまで) | ||
1000cc以下 | 1500cc以下 | ||
自動車税 | 10,800円 | 25,000円 | 30,500円 |
重量税 | 6,600円 | 24,600円 | |
環境性能割(購入時) | 0~2% | 0~3% |
※2019年10月以降の税額です。
※自動車税は毎年、重量税は車検毎、環境性能割は購入時のみ適用されます。
まず、軽自動車は自動車税と重量税がコンパクトカー(1500cc以下)と比べて1/3です。
環境性能割は環境負荷に応じた割引で、電気自動車の場合は0%になります。以前の「自動車取得税」に相当します。
環境性能割は購入時にしかかかりませんから、厳密には維持費ではありませんがそれにしても安いに越したことはありません。
軽自動車税は以前は7,200円だったものが2015年4月から現行の10,800円に増税されたため、以前程のお得感は若干薄くなりました。
それでも自動車税はコンパクトカーに比べて1/3程度なので、維持費という観点ではまだまだ有利です。
進化した軽自動車
で、ここからが本題です。
かつて軽自動車と言えば「非力」で「遅い」イメージがありましたが、ここ20年程の技術開発によってそのイメージが覆りつつあります。
排気量アップ(550cc→660cc)
かつて軽自動車は360ccの時代があったんですが、道路事情が年々良くなるに連れて軽自動車にもハイパワー化が求められ、1976年に360ccから550ccへ、1990年には550ccから660ccへ排気量を拡大してきた歴史があります。
現行の軽自動車は排気量が660ccで、出力の上限が64PSにメーカで自主規制しています。排気量が上がれば、低速トルクが太くなるので街乗りは格段に扱いやすくなりますね。
先日、車検の代車でホンダのN-BOXに乗る機会があったのですが、25年前に乗っていた550ccのアルトとはまるっきり違ってびっくりしました。普通の市街地では1.0~1.2Lクラスのコンパクトカーとほとんど変わらない乗り味です。
技術の進化には驚かされますねー。
燃費性能の改善
普通は排気量がアップすれば、パワーと引き換えに燃費が悪くなりますが、現在の660cc自然吸気エンジンではカタログ値で35km/L、実燃費で20km/L程度を実現しているので、昔よりも燃費が向上しています。
大昔に乗っていたアルト(550cc)は、市街地での燃費が15~18km/L前後でしたから、ここ20年の省燃費技術の向上によって逆に排気量を拡大しながらも低燃費を実現しています。素晴らしい。
ターボ車のラインナップ
近年では軽自動車にも過給器(ターボ)を搭載したモデルがラインナップされるようになり、走りの面でもリッターカーと遜色なくなってきました。
最近の軽自動車は車高が高く大型化しており、それに伴って車重も増加傾向にあります。
そのため、従来のエンジンでは加速や登り坂の走行がキツくなるため、ターボを装備することでパワーを補うようになりました。
ターボと言えば1980年代後半にはアルトワークスやミラターボなど、軽自動車でもハイエンドモデルにはターボ搭載車が勢揃いしていましたが、タービン径が大きかったために燃費は最悪でしたね。パワーは申し分ありませんでしたが燃費は10km/L行けばマシなほうでした。
タイプミスじゃないですよ。軽自動車でもターボ車は7km/Lとか普通でしたから。
現行の軽自動車のタービンは小径なので、昔のターボ車のように燃料をバカ食いしなくなりました。
N-BOXのターボモデルだと街乗りで13~15km/L程度です。軽自動車にしては燃費が悪いですが、ターボ車としてみれはかなりいい方だと思います。(燃費とパワーはトレードオフなのである意味仕方ありませんが)
スーパーハイトワゴン化
恐らく今まで軽自動車に乗ったことがない人はビックリすると思いますが、今の軽自動車ってとにかく車内空間が広いんです。
乗ってみるとわかりますが、排気量では1クラス上のデミオ、フィット、アクア、スイフトよりも車内空間は広くて、軽自動車の規格サイズを目一杯使って車内空間を確保した、いわゆる「スーパーハイトワゴン」化が進んでいます。
ホンダのN-BOX、ダイハツのタント、ウェイク、スズキのスペーシアなど、このクラスは子育て世代をターゲットにした扱いやすい1BOXカーとして各社しのぎを削っています。
現行のN-BOXが発売されたとき、事前受注で25,000台を超えたり、発売開始3日にして受注が29,000台に到達したりと、月間販売目標台数の15,000台の倍の数字を発売開始のわずか3日で達成したことからも、このクラスの人気が伺えます。
軽自動車のメリット
改めて軽自動車のメリットを整理してみると、
・車体が小さく取り回しラク
・排気量が小さい&車重が軽いので燃費がいい
・高速道路の料金が安い
・下取り価格が高い
といったことが挙げられます。
個人的には最近の軽自動車は規格サイズいっぱいまで車体を広げているので、取り回しはコンパクトカーとそこまで大きく変わらないかな、と思います。
むしろ、排気量が小さいので燃費がいいところ(ワゴンRあたりだと23~25km/L程度)と、高速道路の料金が安いところがメリットですね。
軽自動車は車重が1トン以下なので、道路に対する負担が少ないということで高速道路料金が普通車料金の80%に設定されています。
それと、軽自動車の大きなメリットの一つは「下取り価格が高い」ということ。
軽自動車はリセールバリューが高いので、比較的高価で売却できます。
なぜリセールバリューが高いかというと、軽自動車は地方での需要が非常に高い区分なんですね。
実際に地方に行くとわかりますが、走っている車の約半数は軽自動車です。
これは、公共交通機関が都心ほど多く無いため、一人一台車を所有していないと、通勤もままなりません。
そのため、車にさほどこだわりのない人は、移動手段としては中古の軽自動車で維持費を安くしたい、というニーズがあるのです。
軽自動車のデメリット
・乗車人数が多いと走りが重い
・スピードリミッターが140km
軽自動車は乗車定員が最大4人までと定められています。一般的なコンパクトカーであれば最大5人ですので、大人5人が軽自動車1台で移動するのは無理。
それにエンジンが660ccなので大人が4人乗ると、結構重く感じます。なんというか、同じ60km/hで走行するのに軽自動車は一生懸命走って60km/hなのがコンパクトカーだと余裕を持って60km/h、といった感じです。
これは排気量の差が効いてくる部分なので仕方ありません。
ちなみにターボモデルであれば全く問題ありません。
それと以外と知られていないのが、軽自動車は140km/hでスピードリミッターが動作するようになっています。つまり140km/h以上は出せません。
スピードリミッターをカットして乗ってる人もいるようですが、そもそも日本の高速道路の速度上限は100km/hなのでサーキットでスポーツ走行でもしない限りはそこまでする必要が無いので、デメリットというほどではありませんね。
まとめ
ということで今回は軽自動車のメリットとデメリットを比較してみました。
個人的には毎日通勤で使うとか近所のちょい乗りがメインでランニングコストを抑えたい、という人は軽自動車を積極的に検討することをオススメします。
ターボモデルだとコンパクトカーよりも速いですし、それでいて税金は軽自動車(10,800円/年)ですからね。
軽自動車は中古市場でも比較的高値で取引されるのでリセールバリューが高いです。(新車より中古でいいというセカンドカーの需要が多い)
子供が進学や就職で家を出たタイミングで軽自動車に乗り換えて、維持費を下げるというのもよく聞く話です。
車にこだわりがある人は別ですが、夫婦2人で使えればいいと割り切れば軽自動車は悪くない選択だと思います。
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