いつもはバイク屋さんに車検をお願いするのですが、今回は初めての車検(SR400)ということもあって、ユーザ車検をすることにしました。
…というとカッコイイのですが、子供の進学やらなんやらでお金がかかるんで、自分で出来るところは自分でやって節約しようと思っただけです(笑)。
家族持ちのライダーの参考になれば幸いです。
ユーザー車検とは
ユーザー車検とは、ディーラーやバイク屋さんに車検を代行してもらうのではなく、所有者自身が陸運支局に持ち込んで車検を受けることを言います。
車検をディーラーやバイク屋さんに頼むと、車検整備費用(法定点検費用とか24か月点検費用と言ったり業者によってまちまちです)として1~2万円、車検代行手数料として5千円~1万円程度かかるのが一般的です。
自分でやれば、継続検査だと1,700円で済むのです。
僕のSRはSR500のレプリカハンドルに交換しており、車幅やハンドル高が変わっているので構造変更申請を行いました。
ハンドル交換して車幅や高さが変わった人は参考にしてください。
ユーザ車検のポイントとは
ユーザ車検の一番のポイントは事前準備をしっかり行うこと、これに尽きます。
ポイントを説明します。
まずは書類を揃える
まずは車検に必要な書類を準備します。
車検を受けるのに必要な書類は3つ。
2.自動車損害賠償責任保険証明書(いわゆる自賠責)
3.軽自動車税 納税証明書
1と2が無い人はいないと思います。
3の軽自動車税納税証明書は、直近1年分の納税証明書があれば大丈夫です。
もし紛失した場合は、市区町村の税務窓口で再発行してもらえます。
点検整備記録簿の作成(任意)
車検には点検整備記録簿(24か月点検)が必要です。
「必要です」と言いながら「点検整備記録簿の作成(任意)」と書いているのは、車検制度上は定期点検整備記録が必要なのですが、一定の保安基準を満たしていれば、先に車検を受けてから後で定期点検整備を実施する「後整備」が認められているからなんです。
点検整備記録簿を作成しなくても「後整備です」と言えば車検を受けられますが、車検証には「点検整備記録簿なし」と記載されます。
結局のところ、定期点検整備記録簿が無くても車検を受けられるのですが、僕はこの定期点検整備記録簿の作成をオススメします。
というのも、車検はあくまでも「車検時点で車両が保安基準に適合しているかどうか」をチェックしているに過ぎません。
オイル量やブレーキフルード量などはチェックしませんし、ステムベアリングのガタやプラグホールガスケットの劣化などもチェックしませんから、車検を受けた翌日に動かなくなることも整備状況によっては十分あり得ます。
そのため、この機会に点検整備記録簿に基づいて点検を行い、適切な整備を行うことは、今後のバイクライフでのトラブルを避けることにつながります。
車検日を予約する
車検は(独)自動車技術総合機構のサイトからネット予約できます。
予約にはユーザ登録が必要ですが、名前・電話番号・メールアドレスがあれば登録可能です。
1日を4ラウンドに区切ってあるので、希望するラウンドを指定して予約します。
・1ラウンド:9:00~10:15(受付時間:8:45~10:00)
・2ラウンド:10:00~11:45(受付時間:9:30~12:00)
・3ラウンド:12:45~14:00(受付時間:13:00~14:15)
・4ラウンド:14:00~15:45(受付時間:14:30~16:00)
検査に不合格になったとしても当日中であれば3回まで受けられるので、午前中のラウンドは先に埋まりやすいです。
僕は朝早いのが苦手なので(笑)2ラウンド目を予約しました。
予約すると予約番号が記載されたメールが飛んできますので、消さないように保存しておきましょう。
お金の準備
ユーザ車検にかかる費用はこんな感じです。
構造変更申請 | 2,000円 |
重量税 | 3,800円 |
自賠責保険(25か月) | 9,870円 |
予備検査(光軸) | 2,200円 |
合計 | 17,670円 |
全部合わせて17,670円でした。2万円ほど用意しておけば大丈夫です。
「予備検査(光軸)」については後ほど説明します。
当日の流れ
当日の流れはこんな感じです。
2.車検場に行って検査に必要な書類を揃え、検査代、重量税を支払う
3.自賠責保険に加入する(自賠責保険証を入手する)
4.車検証、納税証明書、2と3の書類を揃えて提出する
5.チェックされた書類を受け取り、検査ラインで車検を受ける
6.(別の検査ラインで構造変更検査を受ける)
7.検査ライン出口の総合判定ボックスに書類を提出して総合判定を受ける
8.窓口に検査書類を提出して、新しい車検証と車検証票(シール)を受け取る
車検場でわからないことがあれば職員に聞くと丁寧に教えてくれるので、これらの手順を暗記する必要はありません。
あくまでも大まかな流れを把握する程度で大丈夫。
ではそれぞれについて説明します。
1.予備検査(テスター屋)に行って光軸調整をする
検査で落ちるのは、ほぼ9割方はこの光軸検査です。
ライトの光軸が適正範囲に入っているかどうかをテスターで検査するのですが、この範囲が意外とシビアなのです。
僕はSR500レプリカハンドルに交換したときに、配線を引き出すためにライトを外したので、きっと光軸がズレていると考えてテスター屋に行くことにしました。
大体どこの車検場近くには「予備車検」「テスター完備」といったテスター屋さんがたくさんあります。
僕は多摩自動車検査登録事務所近くの米山自動車で調整しました。
上の画像は東向きで、左手が多摩自動車検査登録事務所、右手が米山自動車さんです。バイクだと1分もかかりません。
こちらで光軸を図ってもらったところ光軸が左下にズレているようでした。
手慣れた手つきで光軸を修正してもらい、費用は消費税込みで2,200円。
ヘルメットも取らず、バイクにまたがったまま調整~支払いまで終わりました(笑)
時間にして10分程度。
「1回目の車検だから大丈夫」「検査で落ちてからテスター屋で調整する」という人もいますが、初めてユーザ車検を受ける人は何度も検査ラインに行きたくないと思うので、先にテスター屋さんで調整して不安を潰しておきましょう。
2.車検場に行って検査に必要な書類を揃え、検査代、重量税を支払う
多摩の場合、まずは入ってすぐ右手にある「ナンバーセンター」に行きます。
ここのカウンターの前に自動車検査票/自動車重量税納付書/継続検査申請書が置いてありますが、初めてだとどれがどれだかわからないと思うので、まずは窓口に行って聞いてください。
継続検査の場合は「継続検査です」と言えば、必要な書類を渡してくれるので、それを持って隣の窓口で検査代、重量税を支払います。
僕は構造変更だったので、ここでは「構造変更です」と告げたところ、検査費用が300円アップの2,000円でした。
検査登録印紙(手数料)が400円、審査証紙(検査手数料)が1,600円、重量税印紙が3,600円で、合計5,800円を支払います。
すると窓口の方が各書類に印紙、証紙を張り付けて「必要事項を記入して6番窓口に提出してください」と書類を戻してくれます。
3.自賠責保険に加入する(自賠責保険証を入手する)
6番窓口に書類を出す前に自賠責保険に加入しておきます。
車検場の入口近くには代書屋さんがたくさんありますので、その中に「自賠責」と書いてあるところに行けば、次回車検までをカバーする24か月の自賠責に加入することができます。
自賠責はどこで加入しても費用は同じなので、空いてるところにいきましょう。
僕は自賠責の残りが1か月を切っていたので、今回は25ヵ月に加入しました。
24ヵ月で12,000円ぐらいかと思っていたら、25ヵ月で9,870円で一瞬目を疑いました。
事務員さんに聞いたところ、2020年4月から自賠責保険料が安くなったのだそうです。慌てて3月に車検取らなくて良かった(笑)
4.車検証、納税証明書、2と3の書類を揃えて提出する
自賠責に加入したら、再び車検場に戻ってきて、今度はナンバーセンターの向いにある登録事務所へ行きます。
記入台には各種申請書の記載例があるので、それを見ながら構造変更申請書(OCR)、自動車重量税納付書、自動車検査票に必要事項を記入します。
なんと書いていいのかわからないときは、空欄にして窓口(ユーザ車検:6番)に持っていきましょう。
提出する時に、書き方がわからないところを告げれば職員が丁寧に教えてくれます。
僕の時は職員さんが「あー、はいはい」という感じで記入漏れの部分を書いてくれました(汗)。
ここで、申請書、自賠責保険の加入状況、軽自動車税の納付状況、各種手数料、重量税の支払状況がチェックされ、すべてOKであれば検査ラインで実車両の検査に進みます。
5.チェックされた書類を受け取り、検査ラインで車検を受ける
チェックされた書類一式を受け取り、検査ラインに向かいます。
車検は各検査項目毎に自動車検査票にチェックを入れるので、100円ショップで売っているA4バインダーかクリアファイルがあると便利です。
それと、検査ラインでは検査員と会話しなければならないのでヘルメットを脱ぎますが、そのヘルメットを置く場所がありません。
ということで僕はヘルメットをツーリングネットでリアシートに括りつけました。
このままノーヘルで検査ラインまで移動します。車検場内は公道ではありませんのでノーヘルで移動してもOKですが徐行していきましょう。
2輪専用の検査ラインに行くと検査員がいません。4輪のラインは順番待ちなのに2輪は誰もいない…。
しばらくすると検査員が現れたので「初めてです」と告げると、書類を見ながら
僕:「ハンドルです」
検:「わかりました。それではこの検査ラインを終了したら0番のラインで構造変更検査を受けてください」
とのこと。
書類を見ながらフレームナンバーを確認して、ウィンカー、ホーン、前後ブレーキランプをチェックして排ガス検査へ。
「そこにあるプローブをマフラーに入れてください」
と言われるがままに入れると、数十秒後に「測定OK」の表示が。
「そうしましたら検査票を記録器に差し込んでください。結果が自動で印字されるので。」
言われる通りに検査票に結果を印字。
同じ要領で前輪をローラーに乗せてスピードメーターチェック、前輪ブレーキチェック、今度は後輪をローラーに乗せて後輪ブレーキをチェックします。
最後に鬼門の光軸検査。
ハイビームにして待つこと数十秒。「〇」が出て無事OK。
検査ライン入口に来てからここまで10分かかっていません。
「それでは今度は0番のラインに回って構造変更検査を受けてください。」
と言われるがままにぐるっと1周して0番の検査ラインへ。
6.別の検査ラインで構造変更検査を受ける
※継続検査の人は呼び飛ばして結構です。
0番の検査ラインへ行き検査員に書類を渡します。
てっきりハンドル幅・高さだけチェックするのかと思いきや、車検証に記載されている事項を一通りチェックするようです。
ということで、前輪荷重、車両重量、車両長さ、軸間距離をメジャーで計測。
その後、ハンドル幅、地上からの高さを計測します。大体5分ぐらい。
「それでは、ラインを出て空いているところにオートバイを停めて、ここの待合室でお待ちください。」
とのことなので、一旦バイクを停めて待合室に戻ってきます。
質素な待合室で待つこと5分。検査結果を記入した書類一式が返されて
「総合判定ボックスにこの書類を提出してください」
とのこと。隣のライン出口にある総合判定ボックスに書類一式を提出すると、一通り検査結果を確認してスタンプを押し、
「6番窓口に持って行ってください」
と戻されます。
7.窓口に検査書類を提出して、新しい車検証と車検証票(シール)を受け取る
登録事務所に戻り、6番窓口に書類を提出します。
程なくすると名前が呼ばれ、新しい車検証、証票(シール)を受け取って車検終了です。
継続検査であれば車検有効期限は令和4年3月だったのですが、本来の車検期間を過ぎてから車検を取得したため有効期限が令和4年4月になっています。
実際にやってみたら思っていたより簡単だった
今回初めてユーザ車検に挑戦してみましたが、思いのほかカンタン、というのが率直な感想です。
多分、朝一のラウンドで予約すれば午前半休で十分対応できたでしょう。
車検場(陸運支局)は公的機関なので面倒な書類や融通の利かない職員が多いようなイメージがありますが、実際に行ってみると窓口の職員も検査員の職員もみんな親切で、わからないことには丁寧に対応してくれます。
とは言っても、点検整備記録簿を見て「何が書いてあるのかさっぱりわからない」「書類は苦手」という人にはユーザー車検はオススメできません。
「点検整備記録簿を見てもわからないところが多いけど、少しでも安く車検を通せるならこの機会に勉強してみたい」という人であれば、チャレンジする価値は十分あります。
案ずるより産むが易し、です。
コメント