高速道路などで大型トラックのタイヤが浮いているのを見たことありませんか?
わざわざタイヤを浮かせなくてもいいのでは?何のためにあんなことしているのでしょうか?
答えは、日本の高速道路料金制度にあります。
大型車の車軸数によって高速料金が3割以上も変わってくるのです。
大型車の料金区分とは
普段、乗用車にしか乗っていないと、高速道路の大型車料金はあまり気にしませんよね。
現在、高速道路の料金区分はこのようになっています。
・普通車
・中型車
・大型車
・特大車
軽自動車と二輪車が同じ料金というのもムカつきますがそれはさておき、大型トラックには「大型車」と「特大車」があります。
この二つの違いは、車軸数が3軸(大型)か4軸以上(特大)で分かれます
車軸(アクスル)とは車を横から見たときのタイヤの数だと思ってもらっていいです。
例えば上のトラックだと、横から見るとタイヤが3個ですよね。反対側まで車軸が通っているのでこのトラックは「3軸」となり、料金区分は「大型車」になります。
一方、上の大型トラックは横から見るとタイヤが4個ですよね。
なのでこれは「4軸」となり料金区分が「特大車」となります。
なぜ車軸をリフトするのか?
これは単純に高速料金を安くするためです。
荷物を運ぶときは4軸にして「特大車」として通行し、荷物を下ろして移動する場合は車軸をリフトして3軸にすれば、「大型車」として通行することができるわけです。
例えば、東京(川口JCT)~仙台港を東北自動車道で移動する場合、
・特大車:21,800円
※いずれもETC平日料金
と40%も料金が変わるので、4軸で走行する必要が無ければ3軸にして一段階安い料金区分で走行するわけです。
だったらいつも3軸で走ればいいのでは?
そうなると当然「だったらいつも3軸で走ればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、トラックは積載重量によって負担する車軸数が決められています。
道路との接点はタイヤだけですから、車軸数が少ないとタイヤ1本あたりの加重が大きくなってそれだけ道路に対して負担が大きくなります。(道路の傷みが早くなる)
そのため、一つの車軸で負担できる重量を超えて3軸で走行することは出来ないのです。
実際にアクスルリフトを装備しているトラックは、車重を自動計算するので無理に3軸走行できないようになっています。
高速道路の料金は車重の応分負担が基本
港近くの高速道路出入り口を見ると、かなりの確率で道路に「わだち」が出来ているのを見かけると思います。
これは、大型トラックが満載状態で通行するだけでアスファルトが押し出されて「わだち」ができるのです。
頻繁に補修が必要なところは重さに強いコンクリートで舗装しているところもありますが、メンテナンスされていないところだと、まるでゴムのように波打っているアスファルトがあったりして、バイクで通行すると怖いときがあります。
重量物を積載するということはそれだけ道路に負担を掛けることになりますから、それ故に大型車、特大車の料金は高いのです。
二輪車は道路に対する負担が軽自動車よりもずっと少ないので、もっと料金を安くして欲しいと思うのですが…
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