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新車の値引きを有利に進める交渉術とは?

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車に限らず、モノを購入するときは誰だって「お得に購入したい!」と考えるはずです。

よくTVの情報番組で、値切り上手な大阪のおばちゃんが出てきたリしますが、実際にその交渉内容を見てみるとただ単に

「これなんぼ?」
「高いなぁ、もっと勉強してや~」
「××では〇〇円やったで~(適当)」

と単に自分の主張をゴリ押しするだけだったりします。

結局、店員さんが苦笑いしながら「オネーさんにはかなわんわ~」って言いながら値引きするんですけど、これって交渉術としては素人同然です。

今回は単に「安くしてよ~」「もうちょっと安くならないの~?」といった素人値引きから脱却して、正しく値引きできる交渉術について紹介したいと思います。

値引きには理由が必要

ありがちなのが、いきなり

「ねぇ、これいくらまけてくれるの?」

と切り出す人。

冒頭の大阪のおばちゃんじゃないですけど、こんな言い方されて百戦錬磨の販売員が底値を提示してくれるわけがありません

だって値引きする理由がありませんから。

せめて

・「2個買うから××円にならない?」
・「〇〇では△△円って言われたんですけど、こちらではいくらになります?」

であれば値引きすることには正当な理由がありますよね。△△円を切れば購入してくれる可能性が非常に大きくなりますから。

購入条件も競合の条件も価格条件も提示せずに、ただ「安くしてよ~お願い!」では担当者の持っている値引き幅をほんの少し使った値引きしか提示してくれません。

営業という仕事を知る

あなたの勤務先にもいませんか?

値引きしなくても成約する相手なのに自ら進んで値引き幅を目一杯使って売ってくる営業マンが。

なんでそんなことをするかと言えば、お客にいい顔したいからです。

そりゃお客さんは営業が勝手に値引きしてくれればうれしいに決まってますが、そうやって売る営業マンのことを俗に「乞食営業」と言います。

優秀な営業マンは、基本的に「商品の価値=定価」と考えるので安易な値引きはしないものです。

客に「A社では△△円を提示されているんだけど」と言われても、「いえ、弊社の商品はA社よりも〇〇の点で勝っています」と説得して、商品の価格(=定価)の正当性をアピールします。

それで客が機能が少なくて価格も安いA社の商品を選ぶのであれば仕方ありません。逆に値引きすることで買ってもらえそうなのであれば、ここで初めて値引きという切り札を使ったほうが効果的です。

つまり「値引き」というカードは営業マンにとっては最強の切り札ですが、それを使ってしまうということは、値引き競争に巻き込まれてしまうという両刃の剣でもあるのです。

社会でモノやサービスを販売した経験があれば価格交渉の勘所を持っていますが、そういった経験が無いと価格交渉しているつもりが、単なる「値下げお願い」になってしまいます。

冒頭の「ねぇ、これいくらまけてくれるの?」と店員に迫るお客さんは、一見、主導権を持って交渉しているように見えますが、恐らくほんの少しの値引額しか提示されないでしょう。

「え~、それだけなの?もっと安くならないの?」

「すみません、ウチではこちらの商品はこれで目一杯で…」

なんて言われて終わりです。

「相見積もり取ってるのかどうか?とか、ボトムライン(この金額だったら購入するという額)も提示しないってことは、ただ安く買いたいだけの客か…適当にいくらか値引きして売っちゃうか」とナメられて終わりです。

店と客は対等な関係

本来、お店と客は主従の関係ではなく対等な関係です。

お店は良質な商品とサービスを提供して利益を得て、客は納得する価格で良質な商品とサービスを享受するという関係なだけで、お店は客の要望に全て答えなければならないわけではありません。販売員は客の奴隷ではありません。

しかし世の中には勘違いしている人が一定数おり、「金を払うほうが偉い」と思っている人も少なくありません。

こういう人が理不尽な値引きを要求したり「僕は〇〇で△△円の値引きを実現した!」なんて自慢するわけです。

当たり前ですが、お互いがハッピーにならない経済活動は必ず破綻します

お店が赤字を出しながら商品を売っても、客は嬉しいかもしれませんが店は成り立ちませんよね。

逆に不当に高い価格で商品を売っても客は嬉しくありませんし、そんなお店からは客が離れるのは時間の問題です。

つまり、お互い納得できる点を探るのが価格交渉であり、片方がハッピーで片方が不幸で折り合う価格交渉は健全な交渉ではありません。

ディーラーも納得する値引き交渉術とは

営業とは?という話を先にしたのは、モノを販売する人の考え方を先に知っておいて欲しかったからです。

敵を知って己を知れば百戦危うからず」といいますからね。

その上で、この先を読めばあなたの価格交渉に弾みがつくはずです。

買う気満々な素振りを見せない

例え買う車種が決まっていたとしても、買う気満々な素振りを見せると営業マンにカモられます。

「カモられる」は語弊がありますが、あまりにも買う気がみなぎっている客だとわかれば、営業マンはあの手この手を駆使して今日中に決めてもらおうと頑張ります。

例えば「今日決めて頂けるのでしたら、特別にお値引き△△万円にオプション◇◇もお付けしますよ!」なんて誘惑するわけです。

そのため、買う気満々な気持ちを悟られると交渉の主導権を取られてしまうので、あくまでも「車を買うのは決まっているが、どれにしようか悩んでいる」という体(てい)で車を見にいきましょう。

そして、その日のうちに購入を決めてはいけません

軽く価格交渉をした上で見積書を作ってもらって「よそも見たいので持ち帰って検討します」と言って一旦引き上げます。

これは「御社だけじゃなくて他社からも相見積もり取りますよ」というメッセージになるので、更なる値引き交渉の武器に使えます。

恋愛も値引きも焦らすのが鉄則です。

欲しい車種が決まっている場合

欲しい車種が決まっている場合でも、相見積もりは必ず取りましょう

相見積もりとは、同じ商品の見積もりを複数店舗から取ることです。

相見積もりを取らないと、次に説明する「値引きを要求する理由」が無くなるからです。

一昔前までは、車種によって取扱いディーラーの棲み分けがきっちり出来ていましたが、最近は同じメーカー系列店でも同じ車種を取り扱っていたりします。

例えば、ネッツ東京と東京トヨタは同じトヨタ系列ですが、プリウスなどはどちらでも販売しています。

また、メーカー系列じゃなくても独立系中古車販売店でも新車販売に強いところがあります。

そういったところで見積を取って競合させるのもいいでしょう。

とにかく競合となる見積が無いと単に「安くしてくれませんか?」とお願いするしかなく、値引き交渉にならないです。

ただし、やってはいけないのは、同じ販売会社の支店から相見積もりを取って競合させること。

例えば、○○自動車販売のひばりが丘支店の見積りを取って、それを同じ会社のすずめが丘支店に持っていって競合させる、といったやり方はNGです。

もちろん同じ会社の支店同士でも競合関係ではありますが、そこで全力で戦っても同じ社内の利益を食い合うだけなので、支店間で値引き額を調整した見積りが出てくるだけです。

思ったほど値引きしてもらうのは難しいでしょう。

欲しい車種が決まっていない場合

欲しい車種が決まっていない場合は、コンパクトカータイプ/ミニバンタイプ/SUVタイプ/スポーツカー等々、まずは欲しいタイプの車を絞り込みます

そしてタイプを絞り込んだら、そのライバル車種をピックアップしていきます。

例えば、ミニバンタイプが欲しい場合は、

<トヨタ>
 ノア/ヴォクシー/エクスファイヤ
<ニッサン>
 セレナ
<ホンダ>
 ステプワゴン

あたりがライバルになりますね。

試乗がてら、それぞれのディーラーに行って見積をもらってきましょう。

そしてその中から、本命車種(1番目に欲しい車種)と対抗車種(2番目に欲しい車種)を決めて、この2つで競合させていきます。

初日に決めず、一旦持ち帰って検討する

例え営業マンに買う気満々な心を見透かされ「今日決めて頂ければ特別価格出します!」と揺さぶられても、一旦は見積書をもらって退散しましょう。

その際、

・車を買うのは決まっているが、どれを買うのか迷っている。
・他社のモデル、グレードにも興味がある。
・もっと安かったら本気で検討すると思う。
・家族が使うので妻や両親にも相談しないと決められない。

と言っておけば営業マンは

・他社ではどのくらいの値引きが提示されるのだろう?
・他社の見積りはどうなんだろう?
・どうすれば〇〇さんはウチで決めてくれるのだろうか?
・購入の決定権は誰が持っているのだろう?奥さん?ご両親?

等々、いろいろ思いを巡らします。

その間、もらった見積書を持って比較検討しているディーラーに行って競合させるのもいいですし、次回交渉時の材料として価格以外の条件面について整理しておくのもいいでしょう。

営業マンはショールームに来た客をランク付けします。例えばこんな感じ。

・すぐに購入を決めてくれそうな確度が高い客(Aランク)
・他社も比較しているが、試乗や値引きで成立しそうな客(Bランク)
・他社になびいているため成約には相当な努力が必要な客(Cランク)
・単に見に来ただけの客(Dランク)

これは客を差別している訳ではなくて、販売店の予算計画上必要な営業情報なんです。

Aランクの客は放っといても売れるので、営業パワーをBランク、Cランクの客を中心に投入するのは営業の基本中の基本です。

つまり帰り際に営業マンに渡した情報によって、今後あなたはBまたはCランクの客としてディーラーに扱われるようになるわけです。

販売店はB、Cランクの客を成約させるには他社の値引き条件に打ち勝つ必要があるので他社より好条件を提示しないと成約してもらえませんし、あなたはそれによって前回訪問時よりも好条件を引き出すことができるわけです。

正当な理由で値引交渉する

冒頭でも言いましたが、値引きには理由が必要です。

ダメな例:「いくら安くしてもらえますか?」
良い例:「◇◇では△△万円値引きを提示されましたが、こちらではいくら値引きしてもらえますか?」

前者は競合相手も値引きするボトムラインもわからないので、「そうですね、NN万円のお値引きではどうでしょうか?」と販売員の裁量内での値引き提示で済まされるか、「ではいくら値引きすれば買っていただけますか?」と逆に聞き返されるのがオチです。

後者は、競合相手と価格のボトムラインが提示されているので少なくとも△△万円までは下げないと勝負にならないですから、営業マンも対応しやすいです。

もし営業マンが競合よりいい条件が出せなかったら客は競合店に行ってしまいますが、「自分の店が競合より安い価格を提示できなかった」ということで納得できますよね。

理由も無いのにただ「安くしてよ~」と言われても営業マンは「なんで?」としか思いませんが、逆に「◇◇では△△万円値引きを提示されました」と言われれば「このお客さんは△△万円より値引きすれば購入してくれる可能性大」なのですから、より真剣に値引き交渉に乗ってくれるはずです。

「理由の無い値引き要請」よりも「理由のある値引き要請」のほうが圧倒的に交渉力があるのはこういった理由からなのです。

こんな値引き交渉は嫌われる

高圧的な態度

いわゆる「俺は客だぞ」的な態度は営業マンにのみならず、誰だってイヤですよね。

・他社は○○万は引けるって言ってたぞ。営業努力が足りないんじゃないの?
・俺はここの常務の〇〇さんと知り合いなんだよ!(だからもっと安くしろ!)
・フロアマットは当然サービスだよね?

といった高圧的な態度を取る客に、いい条件を出そうとは思わないでしょう。自分が営業マンになったと考えればわかりますよね。

常務の〇〇さんと知り合いだぞ!って言うならその人に頼めばいいのに、なんで販売店に直接来るんでしょうかね?(笑)

雑誌の値引き情報を持ち出す

よくあるのが

「雑誌には”(車種)で○○万円の値引きを引き出した!”って書いてあったよ。だからこの値段まで引けるんでしょ?」

と値引を迫る人がいます。

当然ですが、メーカーからの仕入れ値は同じ車種・グレードでもディーラーによってまちまちです。

販売力のあるディーラーには卸値(ディーラーの仕入れ値)を安くしますし、そんなに新車販売に力を入れていない販売店(修理工場と兼任)には高く卸すのが普通です。

「安く仕入れたかったらたくさん売ってね」って話です。車に限った話じゃなくどんな業界のどんな商品でも同じです。

そのため販売店によって値引きできる金額はバラバラなんですね。

雑誌に掲載された値引き体験記のお店は、地域No.1の販売店なのかもしれないですし、決算期の特別仕様車で赤字で販売したのかもしれません。

なので、雑誌の購入体験談を引き合いに出して「そこまで値引きして!」なんて迫っても、「いやぁ、ウチにはちょっと無理ですね。(そこのお店で買ったら?)」と言われるのがオチです。

理由の無い値引きを強要する

いろいろと値引き交渉した結果、

「それでは〇〇万値引き致します。もうこれが限界です(泣)」

と言われた後に

「もう一声、値引してくれない?」

は反則です。だって、値引きする理由が無いですよね。

値引き交渉術のまとめ

今回紹介した値引き交渉術は、自動車に限らず家電などにも応用できます。

やはり会社などで取引先といろんな交渉をしてきた人は、車のような耐久消費財を買うときでもスマートに買い物しますが、社外と接点が少ない部署で働いている人だと、そのあたりの交渉感覚を持っていないために、冒頭の「いくらまけてくれるの?」的な交渉になってしまいがちです。

車を購入した後の点検・整備・車検は自分の懇意にしている業者にやらせるので、関係が悪くなってもいいから徹底的に値引きしたい、と言う人以外は、購入した後も点検・整備・車検等でお世話になるのですから、WIN-WINの価格交渉で合意してその後も良好な関係を維持したほうが、トラブったときに何かと懇意にしてもらえることが多いです。

他人よりも1円でも安く買いたいという気持ちはわからなくもありませんが、やり過ぎると嫌われます。

たった数万円の値引きをゴリ押ししたために「ケチな客だ」と思われてぞんざいな扱いを受けるよりは、客として友好な関係を築いたほうが、気持ちよくお付き合いできますよね。

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