先日、とある車関係のオウンドメディアに「発信しない車に「督促クラクション」は違反?気づかせる行為でもダメ!」という記事がありました。
記事を要約すると
ですが、あまりに杓子定規な見解でモヤモヤします。
記事中では、取材したと思われる交通安全課の見解として
「クラクションは限られた条件のもとで鳴らす必要がありますが、鳴らさなくてもいい場面で使用した場合も、違反になります。当然ですが、基本的にはクラクションは鳴らさないようにしてください」
https://kuruma-news.jp/post/545240
とありますが、これを読んだ読者のほぼ100%はこう思ったのではないでしょうか。
誰もが思うこの疑問に記事は答えていないんですよね。だからモヤモヤする。
僕だったらこうやって「督促クラクション」鳴らします
そりゃ法律を厳密に解釈すれば、「警音器を鳴らしてよいとされる場所以外で鳴らすのは違法」なのですが、青信号なのに発車しないのは、前車のドライバーが何らかの理由で信号機を見ていないわけで、それは「危険」な状況と言えるでしょう。
大体はスマホ見てて青信号への切り替わりを見ていないんですよね。
道路交通法54条を引用します。
(警音器の使用等)
第五十四条 車両等(自転車以外の軽車両を除く。以下この条において同じ。)の運転者は、次の各号に掲げる場合においては、警音器を鳴らさなければならない。
一 左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上で道路標識等により指定された場所を通行しようとするとき。
二 山地部の道路その他曲折が多い道路について道路標識等により指定された区間における左右の見とおしのきかない交差点、見とおしのきかない道路のまがりかど又は見とおしのきかない上り坂の頂上を通行しようとするとき。
2 車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない。
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
第54条2項の2で「ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りではない。」とありますから、危険を防止するための督促クラクションは違法ではない、と取ることもできます。
で、僕はどうなのかと言うと、短くクラクションを鳴らして発進を促しますね。
大体、以下のことを気をつけながら督促クラクションを使ってます。
意思疎通のために短く鳴らす
そもそも、青信号になっても発車しない車に、警音器以外で意思を伝える方法なんてありません。
窓を開けて大声を出す?音楽とかラジオを聞いていればまず聞こえませんよね。
車から降りて知らせに行く?警音器を鳴らしても発車しなければ降りて見に行きますけど、最初からはしませんね。
青信号になった瞬間に鳴らすのはトラブルの元ですが、5秒以上経っても発車しないのであれば、短く鳴らして発車を促しますね。
ここでポイントなのが「短く鳴らす」こと。
クラクションを使い慣れていない人は、加減がわからず押してしまい「プーーー」と長くなってしまいがちです。
加減がわからないときは、周囲に迷惑がかからない場所で短く鳴らす練習をしてもいいかもしれません。
万が一に備える
人は他人に間違いを指摘されると、恥ずかしいという感情が沸き起こります。
僕も後ろの車に発車を促されると、一瞬ハッとして少し焦ります。
しかし人によっては、その感情が怒りに繋がる人がまれにいます。
特に運転歴が長い、運転が上手い人ほど
と、自分の過失は棚に上げて人を攻撃する輩です。
発車した後にいきなり停車してこちらに向かってくる可能性も少なからずありますので、ドアロックしていることや、いざとなったら警察に110番通報することも頭の片隅に入れておきましょう。
違反に取られてもサインしない
まず起こりえないとは思いますが、万が一、督促クラクションで違反に取られても違反と認めず、違反切符にサインしないようにしましょう。
危険を回避するための警音器使用なのですから、堂々と署名拒否しましょう。
その代わり、おまわりさんは調書を作るために事情聴取したいと言うかもしれません。それは任意ですので、可能な範囲で対応すればよいと思います。
実際に督促クラクションで取り締まられた例ってあるの?
交通違反の中に「警音器使用制限違反(反則金3,000円)」がありますが、督促クラクションでこの違反が適用された事例は聞いたことがありません。
警音器使用制限違反は、道路上のトラブルで数十秒、数分間に渡って何度もクラクションを鳴らし続けるなどの、明らかに使用法がおかしい場合でなければ警察官も検挙できない違反でしょう。
公道は、他車とのコミュニケーションを円滑に取ることが事故を防ぐ何よりの方法です。
冒頭で引用したメディアは、首都圏警察署の交通課に取材したようですが、そりゃ交通課は勝手な判断で「短い”プッ”はOK、長い”プー”はNG」なんて定義できませんから、「当然ですが、基本的にはクラクションは鳴らさないようにしてください」としか言えないわけです。
そんな見解を読まされても「お、おぅ…そうなんや、それで?」となるわけで、モヤモヤしか残らないのです。
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