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セルフスタンドでの給油で静電気による発火事故を未然に防ぐには

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20年前のガソリンスタンドは全て有人サービスだったんだよ、と言うと若者に驚かれるかと思いきや、「あー、だから”セルフ”ってわざわざ書いてあるんですね」と言われて逆に納得してしまいました。

かつてガソリンスタンドで給油するには、危険物取扱者という資格が必要だった(正確には甲種もしくは乙種資格者の監督下であれば無資格従業員でも給油可)のですが、1998年に消防法が改正されて利用者が給油操作できるようになりました。

しかし冬になると、知識不足からくる給油事故が増えていることをご存知でしょうか?

そうです、冬になると「静電気による引火事故」が増えるのです。

実はガソリンの給油って意外と危険な作業であることを知らない人が多いので、今回はその危険性について書きたいと思います。

静電気は着火元になり得る

冬になるとバチバチ静電気が出ますよね。

空気が乾燥していると衣服、特に化繊素材が擦れあうと体に静電気が帯電して、金属に触れたときにそれがバチっと放出されます。

正確にはプラス電荷に帯電した体に金属側のマイナス電荷が流れ込んできます。

真っ暗なところだと一瞬青光りするぐらいのパワーなので、気化したガソリンには簡単に引火します。

ガソリンはとっても燃えやすいことを忘れてはいけない

灯油の引火点(火を近づけて蒸気に引火する温度)が50℃なのに対し、ガソリンの引火点は-38℃と非常に燃えやすい物質です。38℃じゃないですよ、マイナス38℃です。

常温だと、灯油は単に燃料が燃焼するのに対して、ガソリンは爆発的に燃焼します。これは引火点が低く常温だと可燃性蒸気が多く発生するからです。

これだけ燃えやすい物質だからこそ内燃機関の燃料として適しているわけです。

ガソリンとはそのぐらい燃えやすい物質であることをまず認識しておきましょう。

ちなみに登山やキャンプで使うガスバーナーは液化石油ガスが多いですが、冬山では温度が低すぎて気化しづらいのが欠点です(火力が弱い)。しかし引火点がマイナス38℃のガソリンは低温でも気化しやすく低温下でも安定した火力が得ることができることから、冬山登山で良く使われています。

よくある事例

実際、ガソリンスタンドでどういうときに発火事故が起きるのでしょうか?

事例1:支払操作をする前にガソリンキャップを開ける

給油機の横に車を止め、操作パネルで操作をする前に燃料キャップを開ける人がいます。

キャップを回しているときに放電していればまだいいのですが、キャップを開けたときに放電すると、大気に開放された蒸気に静電気が引火して発火します。

給油するときは、給油キャップは給油直前に開けるようにしましょう。

そうすれば、

・操作パネルを触る
・静電気除去シートを触る
・給油ノズルを握る

のいずれかで静電気が放電されるので、燃料キャップを開けるときの引火事故を防げます。

事例2:給油する人と別の人が燃料キャップを開け閉めする

これも多い事故ですが、ガソリンを給油し終えた後に、給油操作していた人がお釣り精算に気を取られているとき、同乗者が気を利かせて燃料キャップを代わりに閉める場合があります。

このときに、同乗者の帯電していた静電気が放電されて引火事故が起きるケースです。

以下は消防庁が作成した給油時の静電気事故を防ぐ注意喚起の動画です。

給油事故を防ぐには

とは言っても、ガソリンの性質を取扱いを知ればそれほど恐れることはありません。

以下の点に注意すれば、ガソリン給油時の事故を未然に防ぐことができます。

車を降りるときに帯電した静電気を放電させる

給油機の横につけて車を降りるときは、車体を触って予め静電気を放電させておきます。

僕は、不意に車体を触ったときにバチッ!とくるのが嫌いなので、意図的に勢いよく「えいやっ」と触るようにしています。

給油キャップを触る前に静電気除去シートをしっかりと触る

支払方法や油種を選択した後、静電気除去シートにしっかりと触れてから給油キャップを外します。

こういう黒くて丸いヤツです。給油スタンドには必ず付いています。

新型コロナウィルスの対策もあるでしょうが、これは素手でしっかりと触れて静電気を逃がしましょう。

給油ノズルをしっかりと持つ

給油ノズル自体にもアース線が通っているので、ノズルをしっかり握ることで体に帯電した静電気をノズル~ホースを通じて大地に逃がしてやります。

静電気除去シートを触ってから給油するまで歩き回らない

よくあるのが、給油ノズルを差し込んでレバーを握ってもガソリンが出てこなくて、給油機を確かめたり店員に聞きにいったりと歩き回ることです。

歩き回ることで衣服が擦れ合って、せっかく逃がした静電気が再び帯電してしまうのです。

一度ドアノブでパチっと食らったのに、すぐにまた別のドアでパチっと放電したことありませんか?

あれは帯電しやすい素材の衣服を着ていると起きやすく、ほんの数歩歩いただけですぐチャージされることがままあります。

僕も仕事でレンタカーに乗っているときなど、Yシャツの上にVネックセーターを着て、その上にマイクロダウンを着ているとバチバチきます(笑)

とにかく、給油ノズルを持つ直前に静電気除去シートを触ることを徹底しましょう。

給油時の静電気事故を防ぐには

セルフスタンドでの給油事故を防ぐには、

・車を降りる前に車体を触って静電気を放電させる
・給油キャップを開ける前に静電気除去シートを必ず触る
・給油する前に歩き回らない。(衣服が擦れて再び帯電する)
・同乗者に給油キャップを閉めさせない。(静電気を帯びた人に操作させない)

を念頭に置いて給油しましょう。

中には「そんな大げさな」と思う人もいるかもしれませんが、実際に消防庁が芸能人を起用した注意喚起動画を作成するぐらい、一つ間違えると重大な事故につながります。

車内に家族が乗っていることを考えれば、慎重に作業することは決して大げさではありません。

 

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