今回はレンタカーで雪道を運転する際に具体的に注意すべき点について説明します。
初めて雪道を運転しようとする人はこちらの記事を先にどうぞ。雪道での心構えや、基本的な運転操作について解説しています。
冬にレンタカーを借りて運転するときに注意すべきポイントについて、走行編で4つ、駐車編で4つ解説します。
運転編
雪道の運転で気をつけるべき点は以下の記事で紹介しています。
ここでは、走行時に注意すべきポイントについて説明します。
【注意:1】トラックの後ろは要注意
郊外の幹線道路を走っているとき、大型トラックの後方もしくは斜め後方を走っていると雪煙で前方の視界が遮られるときがあります。
特に気温が低いときにサラサラの雪が降っているときに多いのですが、トラックの走行風で雪が巻き上げられ、それが雪煙となって前方が見えなくなるのです。
特に2車線道路で大型トラックの斜め後ろを走っていると雪煙に巻き込まれやすいです。
そういうときは、大型トラックより前に出るか、逆にもっと離れて距離を取るしかありません。
特に夜間はライトに雪煙が反射してホワイトアウトになるので要注意です。
【注意:2】両サイドの赤い印は道路の端を示すサイン
この画像を見てください。
道路の両端にある紅白の棒や、紅白の矢印は何を示しているのかお分かりでしょうか?
これは雪が降っても道路の両端がわかるように示してあるサインなんです。
夏に見るとその効果がよくわからないと思いますが、これが冬になるとこうなります。
田畑や郊外を走る道路だと、雪が降ると一面真っ白になるのでこの紅白の棒が頼りの綱です。
ただしこの紅白のサインはドライバーのためのサインというよりは除雪車のためのサインです。
このサインを超えて除雪しようとすると、雪に埋もれているガードレールを破損してしまったり、側溝に落ちてしまったりするので「ここまでが道路ですよ」と知らせているんですね。
そのため、除雪車はサインポールの手前ギリギリに除雪しますから、ドライバーはサインポールをはみ出しようがありません。
ただ上の画像のように郊外の道路で吹雪に遭うと道路なのか畑なのかわからないので、サインポールが無いと感覚的に怖いですね。
【注意:3】吹雪のときはサインポールを見て道路の方向を判断
ちなみに吹雪になるとこんな感じになります。
何年か前に実家の近所で吹雪に見舞われたときの画像です。
左側の電柱が道路端を示すサインポールを兼用していて、右側に赤い布が付いたサイン棒が立っています。
このサインポールの続く方向を見れば道路の方向がわかります。
ただしこの天候では制限速度(この道路は40km)一杯で走るのは危険です。20km/h程度でゆっくり走りながらサインポールの続く方向を見て走れば大丈夫です。
天候が悪化するかどうかは概ね朝の天気予報で判断がつきますし、ローカルの天気予報でも注意を呼びかけることが多いので、出発前には必ず天気をチェックしましょう。
【注意:4】サングラスは絶対に持っていこう!
冬なのにサングラス?って思うかもしれませんが、一面雪の中を走行すると雲天のときでも結構目がチカチカしてくることがあります。
これは雪が光を反射して紫外線が目に飛び込んでくるために起きる「雪目」という、目が日焼けした状態です。
ひどいときは目が充血したり、一時的に目が見づらくなるなどの症状が出ます。
そうならないためにも、雪道で運転するときはサングラスを携行するようにしましょう。
駐車編
車で移動すると当然、移動先で駐車することになりますが、降雪地帯での駐車にはいくつか注意点があります。
【注意:1】止めるときはサイドブレーキを引かない
短時間の駐車だったらいいのですが、例えばレンタカーでホテルに行って朝まで駐車する場合などは、ATセレクタをP(パーキング)の位置に入れてサイドブレーキ(パーキングブレーキ)はかけないようにします。
理由は、冬の夜間にサイドブレーキを掛けたままにするとサイドブレーキが凍結してしまい、翌日出発するときにサイドブレーキを下ろして(解除して)もブレーキがかかりっぱなしになってしまうことを避けるためなんです。
このサイドブレーキが凍結するのは、
・シャーベット状の道路
・夜間の気温が氷点下以下
という条件が重なるとサイドブレーキの凍結が発生しやすくなります。
サイドブレーキがかかりっぱなしで走行すると、常にブレーキがかかった状態のまま走るため、最悪摩擦熱によって車両火災に繋がる恐れがあるので要注意です。
【注意:2】ワイパーを立てておく
降雪時に長時間駐車するときは、ワイパーを立てておくようにします。
ワイパーを寝かせたまま駐車すると、雪の重みで歪んだり、フロントガラスの水が凍ってワイパーのゴムがフロントガラスに貼りついてしまうときがあります。
そうなると、翌朝出発しようとしてもワイパーが動かないため大変危険です。
なぜなら、晴れると気温が上がって除雪で道路脇に積まれた雪が道路に溶け出して路面が濡れています。そして前を走る車やすれ違った車が路面の泥水を跳ね上げてフロントガラスが見えなくなります。
もしワイパーが凍りついてフロンロガラスに張り付いてしまったら、お湯を掛けて溶かすか、エアコンの温度をMAXにして送風モードをデフロスタ(フロントウィンドウの曇りどめ)にして溶けるのを待つしかありません。
雪国でワイパーが動かないのは死活問題なので、特に夜間駐車するときは天候に関わらずワイパーを上げておきましょう。
【注意:3】出発前に雪を落とす
出発前に車に雪が積もっていたら、まずはエンジンを掛けて車内が暖まるまでの間、スノースクレーパーで雪を落とします。スノースクレーパーとはこんな感じのモノです。
雪国で冬にレンタカーを借りると、トランクか後部座席の足元に必ず入っています。
雪がそんなに積もっていないときは、ホウキの部分でフロントガラス、サイド、リアウインドウの雪を払います。
まれに大雪のときは一晩でこのぐらい積もるときがありますが、そのときはホウキ部を持ってスクレーパー部(T字の部分)で雪を掻き落とします。
また、外気温が低い(氷点下)と雪を払ってもフロントガラスが凍りついているときがあります。
そういうときは、スノースクレーパーのヘラの部分を使って張り付いた氷をこそぎ落とします。(床にくっついたガムを”はつる”ように)
スノースクレーパーを使うと氷がガリガリと気持ちよく取れるので、雪国初体験の人にはこのフロントガラスの氷削りは結構楽しいと思います。(笑
【注意:4】車内で仮眠を取るときは一酸化炭素中毒に注意
パーキングや道の駅に車を駐めてエンジンを掛けたまま仮眠を取ると、マフラーが雪で覆われてしまい車内に一酸化炭素が充満してしまう危険性があります。
何年か前にも、路上駐車して仮眠を取っていたドライバーが、寝ているうちに降雪がひどくなって排気ガスが車内充満して一酸化炭素中毒で亡くなるという痛ましい事故がありました。
雪がバサバサ降ってるときって全然音がしないんです。しかもフワフワの雪が積もると周囲の音を吸収するので本当に音が無くなります。
仮眠するつもりが(外が静かなので)熟睡してしまって気がついたら車の半分ぐらい雪がつもっていた、というのは珍しくありません。
そのため、降雪時に車内で仮眠を取る場合は、エンジンを切って温かい服装で休憩するようにしましょう。
まとめ
今回紹介した内容は、雪道初心者の旅行者が冬にレンタカーを借りる場合を想定して解説していますが、雪国に長期滞在する方や転勤する方でも応用できる内容ですので、参考になれば幸いです。
とりあえず雪国で運転するのであればサングラスは必携です。
特に山道を走っているときに晴天になると、太陽がそこらじゅうの雪に反射してかなり眩しいです。
場所によっては真夏よりも日差し(紫外線)が強いので、サングラスは必ず持っていきましょう。
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